北海道在住者、いわゆる道民が当たり前と思っていても、実は全国では違っていること、某テレビ番組みたいな話をすると・・・。
北海道は日本列島中央部とは切り離された島なので(青函トンネルではつながっているが)、物流を考えると本州で作ったものを運ぶよりも北海道で生産した方が良いというものは数多い。多分、重量と体積で考えれば「軽いもの」は物流費の関係から現地生産されやすいのだと思う。トイレットペーパーやカップ麺などはその手のものだろうし、ビールなども物流費を嫌い現地生産が多いと聞く。
さて、カップヌードルの日清食品は本体が大阪出身の会社だ。(NHKの朝ドラでも有名になったが)会社のサイトによれば東京と大阪の2本社制で、北海道には札幌日清株式会社の工場が千歳にある。つまり、北海道内で日清食品製品は北海道産が販売されている。(全部の製品ではないだろう)
おそらくそのために、首都圏で売っていない(多分、関西圏でも売っていない)製品が、北海道では堂々と売られているのだ。

パッケージでは、ぱっと見わかりにくいので、よく見比べてもらうと、「天ぷらそば」と「天ぷらうどん」のどちらにも「道民の味」と書いてある。これはつゆの味付けが東京版、大阪版と違うということだろう。そして写真左側のウポポイというシールが貼ってある「天ぷらそば」が、通常版(全国共通版)どん兵衛だ。右側の天ぷらうどんは、北海道限定版だろう。

同じように写真左側にあるきつねそばは北海道版、右側のきつねうどんが全国版だと思う。少なくとも東京では「天ぷらうどん」「きつねそば」は見たことがない。日清どん兵衛愛好家の高校生が、この春からめでたく東京で大学生活を始めるとしたら、天ぷらうどんが見当たらなくて悲しい思いをするかもしれない。その時は残念ながら北海道の両親からどん兵衛を差し入れで送ってもらうか、東京版の天ぷらそばときつねうどんを買ってきて、うどんに天ぷらを乗せて食べる(残った蕎麦と揚げをどうするかという問題はあるが)しかない。それでも、敏感な舌を持っていたらつゆの味が違うと思うかもしれない。

同じように東洋水産=マルちゃんのカップ麺、「激めん」も北海道限定商品だ。(焼そば弁当も北海道限定商品)最近でこそ、まるちゃん正麺のヒットのおかげで東洋水産は盛り返したが、関東ではマルちゃん製品はかなりシェアの低いイオンスタント麺だった。なぜか北海道ではまるちゃんがメジャープレイヤーだから、激めんの知名度は高い。おそらくシェアの高さを維持するために激めんもスタンダード以外のバリエーションを増やしているのだろう。海老ラーメンブームに合わせた海老味噌味だとか、豆乳坦々麺味など、かなりフットワークの良い商品開発だと感心する。しかし、これは北海道でしか手に入らないと思う。焼そば弁当は、そのレア加減がだいぶ旅行者に伝わったようで、お土産屋にも置いてあるが、激めんのレアレベルはまだまだ浸透前だ。
北海道土産にはマルセイバターサンドや「ザ・定番」の白い恋人という選択肢もあるが、まるちゃんのカップ麺とか北海道限定のどん兵衛などは、結構ウンチク語りながらの安上がりな義理土産として良いと思うけどね。