
キャンプに行ってテントを張って寝る。まあ、当たり前のことだが、このテントは二人用なので一人で寝るには中が広い。その分、畳んであるときの荷物としては大きくなるが、車で行くソロキャンプなのであまり問題にはならない。このテントではちょっと大きすぎる梱包サイズも、極小サイズのテントであればバイクに積んでいくことも可能だ。が、快眠性という点では極小テントは圧迫感が強いのでTPOを選ぶ。使う場面といえば、リュック一つで鉄道旅をする時くらいだろうか。
今回はコット(簡易型ベッド)のテストのために大きめのテントにした。コットを入れると寝る時に頭がシートについてしまうのではないかと心配していたが、そんなことにはならなかった。ソロキャンプ用の極小テントではコットを入れるとシートに頭がべたっとつくのは明らかで、大きめのテントにするしかない。
ソロキャンプで荷物は最低限にしたいが寝る時は快適にというバランスをどうするか、これが結構悩ましい。解決策はタープを諦めるかな。晴れた日にしかキャンプに行かないことにすればタープは不要で、これが一番荷物の減量・整理に役立つ。ワンポール型のテントもコットを入れるには、一人用サイズであると小さすぎるみたいだし。そうなると大きめのサイズにするしかないが、これ以上テントを増やすのもねえ……………と悩んでいる。

テントを張った後は、のんびりと本を読んでいた。最近よく耳にするチェアリング(椅子だけ持っていき、公園とか河原の土手でのんびりするお手軽アウトドアスタイル)みたいなものか。ただ、そうなると椅子の座り心地も改善したくなってくる。これが、アウトドアのギア地獄というやつだ。アウトドアで快適さを求めすぎると、莫大なギア投資が発生する。まさに中毒症状だ。アウトドアは不便さを楽しむものだと自分に言い聞かせる。
陽がだんだん傾いてきたので、おもむろに晩飯の用意を始めた。今回は全くの手抜きで、主食はカップ麺にするつもりだったが、アペタイザーは冷凍鰹のタタキにしてみた。追加食材は、ニンニク一欠片と切掛けの玉ねぎ半分を自宅から持ってきた。こういうところは省スペース志向、荷物軽量化を徹底している。ゴミが大量に出る「焼肉パーティー」みたいなことを考えてはいけない。
ニンニクスライスでカツオを食べるのは高知流だが、玉ねぎスライスで食べるのはお江戸的なアレンジだと思う。個人的には、青ネギより玉ねぎの方がカツオのワイルドさには合っている気がする。たたきは厚めに切り、その上にニンニクと玉ねぎのスライスを乗せて食べる。準備時間5分で開始できるお手軽ディナーだ。たたきのタレもついていたが、甘めの九州醤油とポン酢を合わせてタレにした。
今回はメスティンで炊く飯もなし。焚き火で焼く肉もなしだから、簡素の極みだが、ソロキャンプで料理にこだわってみても仕方がないかなあ、と最近思うようになった。お手軽料理の典型であるアヒージョや、焚き火が熾火になればあとは焼くだけというカルビ焼肉もなんとなく興が乗らない。そんな日には、切って食べるだけの冷凍刺身とか塊のハムやチャーシューが良さそうだ。
フランクフルトを買ってきて、串を刺して焼くだけとか、魚肉ソーセージを炙ってマヨネーズで食べるとか、手抜き料理?はあれこれ思いつく。そもそもソロキャンプの楽しみ方は、テキトウな時間をテキトウに使うという自堕落さが良いので、手抜き料理を楽しむのが本どうだろう。有名ソロ・キャンプ番組を見ていて一番共感するのが、この手抜き料理だ。
焚き火と野宿が目的のキャンプであれば、そんな手抜きレパートリーで十分だろう。キャンプ道具のミニマリストを目指す方は多いのだが、自分もそっち方向に進み始めたみたいで………というのが、手抜きの言い訳であります。