街を歩く

締めのラーメンで地域性を考える

かなり長くなった北の街滞在だが、今回は蕎麦屋に行くことが多かった。いつもは空港で締めのビールを飲むためにビアホールに行くのだが、今回は体力不足というか蓄積疲労というか、ビアホールに行く元気もなく、蕎麦屋で軽く一杯という気分にもなれず、結局はラーメンで締めることにした。
空港のラーメン道場は北海道各地の名店が集結しているのだが、意外と味噌ラーメン専門店は少ない。札幌出身の店が2軒、十勝の店が一軒がみそ専門店だ。ただ、このラーメン道場各店は味噌、塩、醤油の定番は全店が提供しているから、味噌専門店でも塩ラーメンは食べることができる。
専門店というより、どのラーメンが一番得意かという差だと思えば良いのだろう。それが北海道的おおらかさであり大雑把さでもあるのだが。

この店の本店は、確か北の街の南部山間部にあったはずだ。はずだというのは、本店に行ったことがないからで、車で近くを走っている時に誘導看板を見た程度の記憶しかない。ニューウェーブな味噌ラーメン専門店は豚骨ベースで味噌たっぷりの濃厚なものが多いが、この店はその先駆けだったと思う。
味噌ラーメンでは珍しくチャーシューが乗っているが、実はチャー主も渦巻き型の薄切りタイプとサイコロ状にカットした角切りタイプの2種類が使われている。(角切りはスープの中に沈んていた)
ひき肉と野菜炒めトッピングという札幌味噌ラーメンの伝統は守っているので、この新旧混合レシピーが人気の秘密なのではないか。
締めに食べるラーメンとしてはちょっとヘビーだったが、北海道的ソウルフードはまたしばらく食べることができないのでありがたく噛み締める。お江戸には北海道から進出してきた店がたくさんあるから、北海道フードが食べられないことはない。ただ、おそらく気温と湿度と空気の匂いの違いのせいか、お江戸で食べるものは「北海道風テイスト」に感じてしまうことが多い。その「風な味」の典型がラーメンとジンギスカンだ。
逆にいえば、お江戸周辺発祥の無国籍的な料理、例えばナポリタンや黒カレーのような都会で生まれ育った食べ物は、北海道で食べてもピンとこない。料理の地域性、地域適合性みたいなことは、それなりに考えるべきだろう。レシピーだけで料理の味は決まらない、そんなことをうすぼんやりと考えながら、味噌ラーメンを食べ終わって実に満足しておりました。次は南区にある本店まで行って食べてみよう。きっと味が違うに違いないと期待して。

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