街を歩く

日露戦争と戦費増税の関係?

札幌の街を歩いていいたら、なんと「金神」様の展示会が近く催されるらしいとわかった、入場料もしっかり撮るし、チケットは前売り制だというから、かなりしっかりした展示会になるのではと思う。これはぜひ行きたいのだが、あいにくこのタイミングではすでに札幌にいない。無念だ。
東京開催にでもならないかと思うのだが、金神様のお話は北海道が以上に盛り上がっているだけのようで、東京開催は期待薄だ。
おそらく日本における少数民族問題を正面に取り上げた数少ないエンタテイメントコンテンツだけに、白老のアイヌ民族施設の建設にも少なからずの影響があったのではないかと思っている。日本の少数民族、非差別民族の話については、歴史的に見ると部落問題、近代においては大陸半島系民族の問題がさまざまな文学テーマとして描かれているが、アイヌ問題は明治政府成立以降に国家的差別事業として法制化されたわけだからなおさらタチが悪い。
エンタメ作品として完成度が高い「金神」様物語だが、アイヌ問題・北方先住民族問題への切り口としてはわかりやすい入門書だ。
アイヌのことはよく知らないという「内地人」には、物語を楽しみながら知見を深めて欲しいものだ。ちなみに、内地とはほとんど死語に近い「本州、四国、九州という日本国本土」を指す言葉で、対応する単語は外地になる。これは明治政府以降、戦争により獲得した植民地を含む日本列島外の領土を指し、北海道と樺太、朝鮮半島と大陸東北部を指す満州、台湾などが含まれる。だから、高齢の北海道人は東京周辺を含め「内地」と呼ぶ。
北海道に移民してきた内地人の大半は、故郷を追われ、あるいわ逃亡してきた「故郷喪失者」であったから、余計に内地という言葉には憧憬があったようだ。外地人の末裔として一言申し上げると、内地は内地で薔薇色の土地では無いのだし憧れる意味もないとは思うが。


ただ、外地を獲得するための領土戦争は多大な金が必要だった。「金神」様の隠し金も、それぞれの陣営がそれぞれの戦費として当てにした、戦争目的の資金獲得闘争だった。個人的には、土方たちの蝦夷独立運動には理念的に惹かれるものがあるが。先住民族であるアイヌを蔑ろにするという点では、帝国陸軍反乱分子達と変わりがない。
史実では、日露戦争後も止まらない領土戦争の戦費に当てられたのが「酒税」と「たばこ税」だった。その後、敗戦前の軍費の膨張は、単純な増税などでは賄いきれず、国家予算の数倍に及ぶ赤字国債の発行で賄われたが、戦争で負けで全て棒引きにされた。お国のためにと買った国債が全て紙くずになるという経験をした旧日本帝国臣民はすでに大半が亡くなっているから、この手の恨み話を聞くことは少ない。ただ、日本国政府が昔からどれだけ信用できないか、という点だけは語り継がれるべきだと思うのだが。

その戦費獲得の有力製品として活用されたタバコだが、実は当時日本の喫煙者はさほど多くなかったようだ。ところが、たばこ税を増強し、おまけにタバコを配給制にしたせいで、タバコを吸わない人間が配給品を手に入れて喫煙者になり、タバコ消費量が増加したという話を読んだことがある。なんと国家的に増税効率を上げるため、喫煙者の増加策を図ったということだ。
この辺りのマッチポンプ的手法は、日本人国家の専売事業というわけではなく、世界中どこでも行われている。アヘン戦争など、タバコではなくアヘンで行われた国家間の策略の結果だ。日本人政府が殊更悪逆というのは、歴史的に正しくない。日本人以外も、全ての国家が歴史的に、そして現在進行形で悪逆だというのが正しいようだ。

なぜこんなことを考えたのかというと、たまたまタバコが吸える飲み屋に入り、友人がタバコを吸い始めた時に、何やら見慣れないパッケージが目に止まったからだ。箱の上の赤い部分は、うっすら記憶があるタバコのブランドだと気がつき、その下に書かれた「薬品の効能書き」のような文章に度肝を抜かれてしまった。
確か、以前はパッケージの横にひっそりと書かれていた「タバコは体にあまり良くありませんよ」的なやんわりとした文言はとうの昔に廃止されたらしい。
商品名やブランドロゴよりも大きく書かれた警告文、それも読んでびっくりの健康被害協調型の警告文は、時代が変わったものだという気にさせられた。しかし、ここまで書いて購入者を脅しても。まだたばこ税を徴収したいかと呆れてしまう。やはり日本国政府は恥知らずの税金強盗だと改めて確信した。
そして、その恥知らずの代表者、世襲3世首相が、軍費のために増税すると言っていたが、その一部がたばこ税であることを思い出した。日露戦争の時代からクズ政治屋の頭の中は同じ構造らしい。そんな下衆どもは「金神」様の祟りに遭って滅してしまえ、とうっすら酔った頭で考えていた。この長い文章のきっかけは、「金神」様ではなく悪税への憤りだった。


極めて個人的な意見ですが、このタバコのパッケージは世のデザイナーの誇りを打ち砕いてしまう「祟り」みたいなものですねえ。

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