
夕方になり焚き火飯の2号に取り掛かった。こちらは最近ネットで見つけた簡単レシピーの完コピで全くオリジナリティーはない。ただ、自宅のキッチンで調理すると何となくすごい匂いが出るのではないかと、野遊びがてらお外で料理することにした。

材料は挽肉とニンニクのみ。挽肉は豚でも牛でも良いのだろうが(そこはレシピーの確認をしていなかった)、今回は牛豚合挽きを使ってみた。肉の量は自分の腹具合に合わせて決めれば良い。今回は300g弱のパックを買ってきた。

このひき肉をスプーンで上からぎゅうぎゅうと押す。飽きるほど押す。これでもかと押す。高さが半分くらいになるように押す。以上だ。

押した肉の上に適当なスパイスをかける。今回は左半分が塩コショウで、右半分は鳥取砂丘スパイスにしてみた。好みでハーブをかけたり、モンゴルのピンク岩塩を使っても良いだろう。

鉄板に油を入れてニンニクの薄切りを茶色になるまで炒める。ガーリックオイルが出来上がったところで、焦げたニンニクは取り出す。後から調味料にする。

押し固めたひき肉を鉄板で焼く。ものすごい量の油が出てきたので、ティッシュペーパーで油を吸い取った。鉄板の淵から溢れそうな具合だったから、ひき肉をは半分以上が脂身なのだなと改めて感じる。

裏面に火が通ったところでひっくり返す。またしばらく焼く、出てきた油をティッシュで拭い去る。ただし全量は取らないのが大事だ。焼いているというより、揚げていると言いたくなるほどの油だった。

調味料としてオリーブオイル少々、甘口醤油、日本酒、砂糖を肉を取り出した脂の中に放り込み、甘辛ソースを作る。

その甘辛ソースを肉にかけて調理終了。つなぎが何も入っていないひき肉なので、多少ボソボソした食感だが、肉を食っているという感じは強い。肉を切り取るのにナイフはいらない。箸でちょっと強く押せば、適当な塊に切り分けられる。手抜きなステーキというか、インチキな焼き肉というか。それでも肉を食べている感は強い。
大きめの塊を、先に揚げておいたガーリップチップと合わせて口いっぱいに頬張る。いや、肉だ、まさに肉を食っている、という気分になる。ただ、ステーキ肉のような塊肉感は全くないから、人類の歴史に存在した「原始人の骨付き肉」的な満足感はない。純粋に肉感を楽しむのであれば、合挽き肉ではなく牛肉、あるいは豚肉のひき肉の方が良さそうだ。
どちらにしても、肉で腹がいっぱいになる膨満感というか飽食感がお手軽に得られるのは間違いない。この脂身たっぷりのひき肉を食べ切ると、米の飯の入る隙間はない。この肉を焼きながらメスティンで炊いていたくるみご飯は、そっくり次の日の朝食へと先送りされた。肉を食いすぎて、当分は肉料理はいらないなと思う程には満足した。
ただ、これはやはり焚き火飯というか野外調理が向いているようだ。室内で焼くと、脂の匂いがこもってしまいそうだし、それを避けるためにフライパンで蓋をして加熱すると、何やら別物の蒸し料理になる感じがする。乱暴な料理は屋外で、がよろしいかと思います。