旅をする

駅そばを食べに行った

今回の秩父プチ旅の引き金は、本棚の隅にあった一冊の文庫本だった。「全国駅そば名店100選」という題名で、日本全国の駅そばをまとめた本だ。発行は2015年なので情報としては古いし、すでに閉店しているところもある。ガイドブックとしては、鮮度が落ちているのだが、それをっ読み返すのはちょっとした楽しみだった。
その本の中に秩父では二ヶ所の蕎麦屋が乗っていた。西武秩父駅と御花畑駅だ。西武秩父駅はすでに全面改装されているので、駅そばは消えてしまっている。改装前の怪しい雰囲気だった屋台街には蕎麦屋があったような記憶もあるが、今ではフードコートになっている。そこで、御花畑駅の蕎麦屋に行ってみようと思った。
秩父鉄道の御花畑駅はいつも脇を通り過ぎるだけだったので、中に入ったことはない。今回は蕎麦を食べるために駅の中に入っていくことにしたのだが。

西武秩父駅から秩父市役所の脇を抜けて御花畑駅すぐ隣の踏切を超えると、そこには狭い小路がある。そこを抜けていくと、どうやら駅に通じるらしい。駅の構内のような駅の外の道のような微妙な感じだ。そこを歩いていくとすぐ左手に不思議な外見の店があり、中を覗くと蕎麦屋だった。おお、これが駅そばなのかと思い、さっそく入ることにしたのだが、普通は入り口付近に暖簾がかけられていたり、大きな店名看板があるはずなのだが見当たらない。
上下左右見渡しても看板は見つからない。一番目立っているのはポテくまくんなので、蕎麦屋とは思えない。ただ、その横にトビ魚のダシとあることからどうにか蕎麦屋ではないかと推理できる。

中に入るととても小さな店名看板があった。なるほど、ずいぶんおしゃれな見せ方だ。だが、駅そばらしくないな。

店頭の看板を見ると、どう考えても蕎麦屋とは思えない。観光地によくあるスナック屋というか、みそポテト専門店のような気がする。

ただ。店内に入れば普通の立ち喰い蕎麦屋だった。天ぷらそばに心惹かれながら、山菜そばにした。カウンターで立ながら食べようと思ったら、反対側に5席ほど椅子が置いてあるので、遠慮なく座って食べることにした。
蕎麦はごくごく普通の茹で置きそばで、立ち食い蕎麦屋の王道スタイルだろう。麺は少し太めかもしれない。だしはトビウオ出汁と言っているだけあり優しい。鰹節、サバ節などを合わせてガツンとくる「お江戸の立ち食い蕎麦」とは違っている。つゆも全部飲み干せそうな感じがする。

蕎麦を食べ終わりふと見上げたら、目の前に(壁に)掲載された記事のコピーが貼ってあった。おお、まさにこの店が、100名店なのだなと確信した。あごだしがポイントなのねとわかる。記事を読んでみると、なんだかテンプラ蕎麦の方が良かったみたいだが、ここで怯んではいけない。美味い山菜蕎麦を食ったから満足だ。
今回のプチ旅の目的その1は無事達成だ。と思ったのだが……………
この記事の題名は「立ち食いそば」で、自分の持っている本は「駅そば」、なんだかちょっと違う。

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