小売外食業の理論

福袋のハズレ通知は大手の策謀

もう古い話になる?が、マクドナルドの新年福袋に外れたと言う通知が来た。福袋応募抽選には、ここ数年毎年応募している。残念ながら当たったのは一回だけだ。そこに文句があるわけではないが、ハズレ通知の中に来年は当選確率が2倍になると書いてある。
これは微妙な表現だなと思う。来年も応募する気が満々(自分もそうなりそう……なのだが)な人間には、やる気を起こさせる。ただ、それほど気合の入っていない応募者の中には、「ヘン、うるせーよ」と言いたくなるものもいるだろう。
マクドナルドをはじめとする外食チェーン店の福袋は、大体が商品券で構成されているので売上という視点から見ると「需要の先食い」でしかない。しかし、顧客の確保、流出防止、利用頻度促進など「ヘビーユーザ対策」として考えると、これはなかなか興味深い集客戦術ということになる。最近では、応募・抽選・当選・連絡などもネット・アプリで完結するから、こうした「来年もまた応募してね」という長時間スパンの提案(販促)もできる。
ネット商売が勃興機の時代(もはや随分昔のような気もするが)には、ライフタイムバリューだのロングテールだの、あれこれカタカナ・マーケティング用語が噴出したが、結局のところ、常連客の囲い込みということでしかなかった。ただ、その手の細かい顧客対応が苦手だった大手チェーンが、ネット・アプリ環境が進化しネット販促が普及したことで、中小店よりきめ細やかな対応が可能になった。
というより、大手の得意技に仕立て上げたということだろう。ネット・アプリを使った販促は中小規模店には投入資金、運営技術共にハードルが高すぎる。
一時は万能兵器のようにもてはやされたSNSも、今では販促ツールとしては常用品となり、ツールとして差別化されてもいないし、目新しくもない。もはや古びた常備品というところだろう。
すでにSNSの販促効果はグッと低減している。アプリ制作などの導入費用や運営維持費を考えると、なかなか悩ましいツールだろう。SNSの次のツールが求められている、まさに、ネット販促戦国時代なのだ。そうした中で、マクドナルドは一人我が道を往くという感じで、強者の論理を実現している。(ような気がする)

決してハズレたから文句を言うつもりはないが、ハズレたおかげでネット販促のあれこれ、特に大企業に有利に働く市場環境などを考える機会になった。転んでもタダでは立ち上がらない、せめて石ころの一つも拾ってやるという貧者の論理を実践できた。(つもりだ)
でも、来年は当たるといいなあと、すでに応募する気になっているのだから、まんまとマクドナルドの策にハマっているのだ。

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