札幌で雪降る中を散歩した

街歩きをしながら、面白い看板を探すのはなかなか楽しい。健康的な趣味ではないかと自画自賛している。わざわざ雨の日に散歩に行くほどのもの好きではないが、寒い日であればひょいひょい出かける。例外は暑い日で、最近の自宅周りでは夏の暑さが命の危険をもたらすので、絶対にNGだけれど。
今回は看板探しの散歩、札幌編。昔住んでいた懐かしの円山界隈を歩いてみた。途中で雪が降り始めたが、そこは北国仕様のキャップで対応する。街行く人のほとんどは、キャップや毛糸の帽子で雪を凌ぐが、たまに傘をさしている人を見かけた。傘をさして歩く姿は地元民ではなく、おそらく関東圏以西からきた札幌転勤族だろう。札幌の雪は払えば落ちるサラサラ状態が多いので、雪の日に傘をさすことは稀だ。傘が役に立つのは、みぞれ混じりの雨の時くらいだろう。
そんなことを考えながら、とあるバス停脇の電信柱に張り出されていた「注意書き」が目についた。何やら今風な文章で、「喫煙者へ」という強い呼びかけから始まる。よほどバス停でタバコをポイ捨てる人が多いのだろう。路上清掃をする町内会の人たちの怒りが現れている。
そういえば、街中でタバコの吸い殻を見かけなくなった。路上喫煙禁止条例が出始めたのは、15年くらい前だったと記憶しているが、その成果がこの張り紙に表れているということだ。
すでに喫煙は社会悪に近い扱いになった。コロナの始まり時期に室内禁煙令が出されたが、それに反対する意見をねじ伏せるほど、コロナの外出禁止圧力が強かったせいだ。オリンピックで国際的に体裁を整えるはずだった室内喫煙禁止令が、「官庁」の予想以上に市民の意識が厳しくなり、禁煙が徹底された。
タバコ大好き国会議員の思惑を超えて、令和の喫煙者狩りにまで拡大した。地方自治体や地方議会では、役職者や議員の不法喫煙の実態が暴かれ、断罪される時代だ。「官」が「民」を抑えきれず、暴走的喫煙者狩りに辟易しているのがわかる。ざまあ……と言ってやりたい。
それにしても国会内の喫煙場所は減ったのだろうか。元・野党党首が法令に違反して、執務室で喫煙していた事件も象徴的だったが。それでも禁煙しないんだから、野党のお里が知れる。(今では禁煙したか?)
などなど、色々なことを思い出してしまった「喫煙者」へという警告状だった。すごいな円山の町内会。ちなみに、この辺りは高級マンションが立ち並ぶ上級市民のエリアだからかもしれない。ポイ捨ては不法行為だから、やめましょう。

この焼肉屋は、ぜひ一度行ってみたい。味付け肉で冷凍らしいが、そこに文句はない。それよりも、ほぼ五百円という値段だ。おそらく、六百円とか千円とかの高級冷凍焼き肉もあるのだろう。それを食べてみたい。北海道で肉と言えば豚と鳥、焼き肉といえばジンギスカンが代名詞だから、黒毛和牛とか◯◯地鶏などのブランド肉ではないだろう。いやいや、楽しみだ。

壁の上に描かれた不思議な英語も、よくみて考えるとニヤリとしてしまう。中学程度の英語だから、一応は誰でも理解できるレベルだとは思うが、クイズ番組に出てきそうな文章だ。こういう文章を書けるコピーライターに会ってみたい。できれば一緒に仕事をしてみたい。

円山から地下鉄で街中に戻ってきて、ふと見上げたとことにあった「駄洒落看板」。これは参りました。座布団全部取ってしまえと言いたい、正調昭和オヤジギャクだな。こういうコピーライターとは、あまりご一緒に仕事したくない気がする(笑)
まあ、昭和レトロブームらしいので、ドリフターズ的ネタとか、ひょうきん族的ギャグが受けるのかもしれないが。ケーブルテレビなどで昔のギャグ番組を見て、当時はなぜこんなことがあれほど面白いと思っていたのか不思議になる。
ギャグの面白みを感じる要素は時代と共に変化するということだろうか。しかし、チャップリンのモノクロ映画は今見ても面白い。時代に消費されるギャグと不変的なギャグの差はあるものだな。

確か、これはすでに停止されているのではなかったか。デジタル大臣が何か言っているのを聞いたような気もする。コロナで起きた壮大な無駄遣いの象徴として、将来の教科書に乗るだろうか。少なくともどこかの大学で、デジタルコンテンツ経済学みたいな講座を開いて、「役に立った」「無駄遣いだった」アプリやコンテンツの評価をしてほしいものだ。このアプリを使って、オリンピック開催したかったのが見え見えだ。そしてオリンピックが終わればポイ捨てする始末だし………
少なくとも東京オリンピックの「費用対効果」を考えると、間違いなくマイナスだろう。予算は超過、インバウンドによる経済効果なし、とどめは大手広告代理店による汚職と、すでに解散してしまった組織委員会の無責任放置状態。オリンピック誘致をした総理大臣も強行した総理大臣も、その功績を讃えられることもなく退場になった。その象徴みたいなものが、このアプリだろう。
街の中に落ちている、ささやかなブラックジョークを探し出すのは、健康のために宜しいかと。