食べ物レポート

最近食べた変わりもの

石焼チゲではない

北陸を旅している途中で駅前のホテルに泊まった。地方都市ではありがちなことだが、繁華街が駅から離れた場所にある。居酒屋や食堂などはそちらにあるのだが、駅前にはほとんど店がない。駅ビルらしいものもあるのだが、ほとんどの店が休業中らしい。コロナの影響は地方都市の方が大きいようだ。
そこでホテルの近くにあるチェーン居酒屋に入った。店内にはそれなりの一人客とグループ客がいて、会話の様子から想像するに自分と同じホテル宿泊者で、夕食難民のようだった。チェーン居酒屋だから「地のモノ」など期待もできず、東京と同じメニューが並んでいる。旅行者にはなんとも辛いモノだが、地元の人にとっては東京のメニューで問題ないだろう。
その見慣れた?メニューの中から、なんとか見慣れないものを探し出して注文してみた。豆腐チゲと言われればそうだろうなあというルックスの料理だが、メニュー名は辛い肉どうふだった。
中にはキムチも入っているのだが、全体的には甘い味噌仕立てという感じで、これが予想をはるかに超えていてうまい。自分で作ってもできそうな気がする。冷蔵庫に入っている豆腐と豚肉とキムチを石鍋で煮込む。野菜はニラや長ネギ、白菜など適当に投入する。味付けは中華鶏ガラスープと味噌で仕上がれば良さそうだ。甘さ強調のため黒砂糖を放り込むと一段と上手くなりそう。
これは旅先での「みっけもの」だった。東京にいたら、まず入ることはないチェーン店だけに貴重な経験になった。

回転寿司ネタの極北?

回転寿司の軍艦が好きで、特にトッピングが代変わっているものを「お試しチャレンジ」と称してよく食べる。マヨコーンやツナが乗っている軍艦巻はもはや定番になってしまった。ハンバーグや牛カルビが乗っていて驚いたのは10年以上前だが、今ではイベリコ豚や炙り焼肉も定番になった。生ハムなど変わりメニューにもならない。
ところが、最近の原材料高騰のせいか、軍艦巻から海苔が消えた「変なトッピングにぎり」がのさばってきている気がする。せめて海苔で巻くという「変わりずし」のお作法は捨てないでくれ、と言いたいのだが、変わり者のくせに我はスッピン勝負なりみたいな乱暴者が増えている。
その筆頭がこれ、チャンジャ乗せだった。イカの塩辛が乗った軍艦巻きは好物だし、寿司の領域を守っていると思う。少なくとも和食のカテゴリーには収まっている。ところが、イカの塩辛が韓国風鱈の塩辛に変形し、周りを守る海苔を放棄してストリップ状態になる。これは、和食から卒業したインターナショナルな The sushiの世界だろう、とあれこれ考え込んでしまった。
この先に待ち構えているのは、海苔の代わりにチーズで巻いたヘビー級な新軍艦巻きだったり、シャリを握りではなく円盤状に伸ばしたカナッペ風寿司みたいなものだ。(多分)
それを回転寿司大手が取り組むのか、海外から侵攻してきた寿司チェーンが取り組むのかの違いはあれ、グローバルな展開を考える「日本発」の寿司屋は、そちらに進化していくのだろう。
逆に香港発や台湾発の海外発祥寿司屋が「正しい懐古趣味の鮨屋」に進化していくような気もする。食のグローバル化とはそんなこと、つまり本家日本が怪しげに変化して、イミテーションで始まった海外勢が本格和風に進化する。それが、食の世界の平行進化ではないのだろうか、とチャンジャを味わいながら考えていた。ちなみに、チャンジャの臭みは寿司のシャリに結構あっていて予想外にうまいのだ。次回からはマイ定番候補に昇格決定。

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