旅をする

広告の話 掲載場所と対象者

これもシンクロニシティーみたいなものだろうか。恐山に行った時、食堂の脇にベンチが置かれていた。その後に、弘前でも広告ベンチを見つけた。スポンサーが似通っていて驚いた。
さて、企業名の入った広告としてのベンチを久しぶりに見た気がする。昔は、駄菓子屋の店頭や商店街の中に、清涼飲料水や菓子の名前が入ったベンチがたくさん置いてあった。ブランド認知の手法として屋外広告は古典的だが、名入りのベンチはなかなか費用対効果が優れた広告だと思う。
最近ではベンチを置いてある場所がすっかり少なくなった。おまけにホームレス対策ということで、横になれないようによう改造したベンチが主流になりつつある。行政が公園に設置するベンチは、寝ることができないよう一人用区分けして手すりをつける。ベンチを3分割や4分割にしている。おまけにコロナ対策として真ん中には座れないようにしてしまう。余計なお世話だと言いたい。「官の迷惑行為」の典型だ。
だから、このローソクメーカーのベンチが強く印象に残った。
そもそもローソクの需要はもはや照明ではなく、燈明しかない。百歩譲ったとして、誕生日のケーキに使うくらいだろう。停電時の非常照明であれば、それ専用のキャンドルを買い置きする。だからこそ、恐山でローソクの広告なのだなと納得した。
蛇足だが、キャンプ用のランプは、このローソクメーカーも作っている。ランプ用油(パラフィンオイル)に関していうと、このローソクメーカーのものは高級品だ。つまりお参りやお経を上げる時の灯明ばかりではなく、時代に合わせた商品開発も怠ってはいない。
確かローソクのシェアでは日本一だったような記憶もある。オンリーワンでナンバーワンではなかったか。それが恐山で広告というかマーケティングとは………

弘前市役所近くのバス停にあったベンチ

そんなことを考えていた翌日、またベンチに企業名入りのベンチを見つけた。弘前市役所に程近いバス停(屋根付き)にあった。広告主の名前は見れば商売は思い浮かぶ。そうか、今は葬祭も宣伝する時代かと納得した。
そして、広告の鉄則である利用者の目につくところに広告を出す、をしっかり守っているなと感心した。地方都市でバスを利用するのは、典型的交通弱者しかいない。通学に使う中高生と車を運転しない高齢者だ。となると、バス停のベンチが広告媒体として活用される対象者も限定される。広告主が受験を控えた学生向けに学習塾か、お迎えが近い高齢者向けの葬儀会社になるのは当然だろう。
さすがに墓地というか霊園の広告はストレートすぎる気もするが、「あり」といえば「あり」だろうか。結局、散歩の休憩を兼ねて、このベンチにしばらく座っていた。朝早い時間なのでバスが来ることもなかったが。
2日続けて、葬祭関連の広告ベンチを見つけてしまい、何やら不思議な気分になった。これは何かのお告げだろうか。恐山関連のお仲間がご一緒に山から降りてきているのでは。とするとお導きというかお迎えが………
などなどと考え込んでしまった弘前の朝は、よく晴れていて気持ちがよく、シンクロニシティーに悩むには全く向いていない朝でもありました。

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