旅をする

弘前 早朝散歩2

津軽、弘前は雪の町だ。生まれ育った札幌も大都市のわりに豪雪地帯だが、人口100万人を越える街なのに、あれほどの積雪量になる場所は世界中どこにもないと聞いたことがある。確かに札幌市は年間10億円単位で除雪費用がかかるそうだ。春になれば溶けてなくなる雪を排除するために、都市運営としては仕方がないとは言え、多大な金をかける。治山治水とは異なる全く無駄としか言いようのない金だろう。世界各国で雪の少ない場所(けして寒くない場所ではない)にしか都市を築かなかったのは、賢人の知恵というものだろう。
本来の北海道開拓、北方支配地域の防衛という観点からすると、旭川のような軍都、小樽のような商都を全道に分散させればよかったはずだ。それにも関わらず札幌一極集中にしたのは、昭和後半のおバカでビジョンなき政治屋たちのせいだ。
津軽の人たちはそんなおバカな都市作りはしていないようで、適度な人口集中都市が出来上がっている。弘前、青森、そして八戸と青森県下では分散化がうまくいっているようだ。

雪の多いところでは、オープンエア型の屋台村を作るのは無理だから、インドア形式になる。恵比寿で一躍有名になった都市型屋台村は、そもそも老朽化したビルの再利用が目的だった。地価の高いこともありオープンエア型は大都市では作るのが難しい。
ところが積雪地帯の屋台村は「屋外では通行客が危険」「除雪の費用負担がバカにならない」という冬対策で、最初から室内型しか検討しない。(はずだ)
弘前の屋台村は、ビル内部の照明を落としているせいもあり、疑似的に「外」にいるような感じがする。ちょっと不思議な空間だと思う。

本当は夜に一杯やりに来るべきなのだが、実は屋台村の場所は弘前駅前からかなり距離がある。夏なので、歩いてきても問題はないのだが、冬であればホワイトアウトという悪天候でなくても、路面のスリップなどを考えると絶望的な距離になる。
今回は、夜歩きをサボって手近な店で済ませたせいで、朝の散歩の時に足を伸ばしてみた。
横丁配置図を見ると半分くらい空きが出ているようだ。コロナの後遺症ということだろうか。ちょっと悲しい。

弘前の「ねぷた」はこんな形で、青森の「ねぶた」とは違いますよ、と聞かされた。このデザインを見ると「津軽飴(水飴)」を思い出してしまう。あの丸い缶に入った水飴は、子供の時の大好物だった。
青森に親戚がいたはずもないが、時々誰かにもらっていたのだろう。津軽飴は今でも自分への定番土産だ。水飴は重いので人様のお土産に買うことはない(笑)

その横丁の近くにあった居酒屋の看板がまさに不思議ちゃんで、つい写真に撮ってしまった。「石と肴」とは一体何を意味するのだろうか。まさか、石を見ながら酒を飲む「ストーン・カフェ」みたいなものだろうか。頭の中はクエスチョンマークで満杯になった。

隣のボードを見ると(読み解くと)石焼料理、要するに溶岩焼きとか石板プレートで焼くステーキみたいな料理のようだ。コンセプトはわかったが、やはり実食してみたくなる。鳥の白レバーをミディアムくらいで焼き上げるとうまそうな気がする。

そんなことを考えながら歩いていたら、100mも歩かないうちに「鮨と地酒」の店を見つけた。店名が同じだから、どちらかが本店で、どちらかがコンセプト変えの支店のはずだ。鮨屋ではないようだが、日本酒のラインナップが多いみたいで、こちらも一度行ってみたい店だ。
しかし、朝からこの看板を出していても、店が開くのは夜からなのだろうし。ちょっと困ってしまう。

食堂の窓を無理やり?テイクアウト窓口にしたみたいだ

百貨店のビルの壁にポカリと空いている窓があった。テイクアウトの専用窓口らしい。ドライブスルーならぬウォークスルーだ。コロナも2年を超えたので、冬期間も2シーズンあったはず。冬の間はどういう使い方をしていたのか、これもまた気になる。

メニューは、まさになつかしの大衆食堂的ラインナップ

メニューを見れば、デパート大食堂的なフルラインナップなので、使う方としてはありがたいのかなと思うが、冬の弘前でこの道を歩いて買い物する人がどれだけいるか、ちょっと不思議になる。東京の居酒屋で店頭にテーブルを出して弁当を売っているのとは、レベルが違うオペレーションだろう。
そんなことも含めて、日本中であれこれ怪しいことをやっていたのが、この2年間だったのだな、と改めて思い知らされた。

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