
夕方の仙台をぶらぶら歩いていたら、あちこちで面白いものに出会った。一つ目は居酒屋の看板で、こき使われるサラリーマン応援店。こき使われるのは今でも変わらないが、コロナの最中は自宅勤務の人も多かったのではと、あれこれ思ってしまう。大衆酒場という言葉は、懐かしいやら物悲しいやら。平成生まれの世代には新しい響きらしい。大衆という言葉自体がほぼ死語だと思っていたが………

店構えがかっこいいなと思い、よくみたらうどん酒場と書いてある。思わず入りかけたのだが、入り口に閉店とある。店内は明るいので、どうしたのかなと不思議に思った。貸切で閉店かな。

よくよく見ると完全閉店で、改装して違うお店になるようだ。おやまあ、という感じ。次は串揚げの店になるのか。でも、うどん酒場のうちに来てみたかった。1週間早く旅をすればよかったのだなと残念に思う。どうにも諦めきれないが、これも旅の運次第だったのだ。人との出会いもそうだが、お店との出会いも一期一会だ。

東北で初の優勝はなかなかすごい賑やかさだったようだ。仙台は地元だけにさぞかし盛り上がったことだろう。しかし、「東北初」と書かれているが6県はまとめて一家のような感覚があるのだろうか。旧称国名で言っても陸奥、出羽、津軽、磐城、会津とバラバラな国だったような気もするが。戊辰戦争で負けたせいで一体化したのか?

仙台は和菓子屋が多い。そのためか、老舗の有名店でもバラ売りをしてくれるのがありがたい。ふと思いつき最中とどら焼きを一つずつ買い込んだ。

仙台の繁華街の中心、一番町にあったお茶屋さんが店を閉じていた。ここはお茶もうまいがお菓子もうまいという名店で、かれこれ20年以上仙台に来るたびにお世話になっていた。実に悲しい。コロナはお茶屋も潰すか、と憤慨していた。

と思っていたら、懐かしの看板を発見した。どうやらお引越ししただけのようだ。仙台市民であれば、閉店前から移設の告知看板などでしっかりと理解していただろう。こちらは久しぶりの仙台なので、それを知らなかっただけだ。お菓子の新作も増えていた。めでたしめでたし。