
水戸駅の駅弁はキオスクで売られている。それなりに種類も多い。まずイチオシは印籠弁当で間違いないが、これは既に食べたことがある。個人的に二番推しは奥久慈しゃもべんだが、この先の駅弁計画に被る可能性が高く、今回は避けた。
今回初見参したのは「釜揚げしらす弁当」だったので、とりあえずこれにしてみた。駅弁は幕内的なものより、一品豪華な変形丼みたいなものの方がうまいと思うので、ちょっと期待してしまった。

大洗名物とは言われれば、思い出す食べ物がない。薄ぼんやりとアンコウが名物だったような覚えもあるが定かではない。はっきりと思い出すのは、某戦車道女子学園のアニメだ。アニメを使った町おこしで、ごく初期の成功例だったような記憶がある。リアルな街中を戦車が走り回るというアイデアはじつに愉快なものだった。じつ風景をアニメに取り込む「聖地化」の成功事案だったはずだ。
ところが、この大洗名物釜揚げしらす弁当には戦車娘の影も形もない。豪速球だな。

蓋を開けて見るとちょっと嬉し苦なった。ご飯の上に白子が敷き詰められている。このタイプのふりかけ満載飯というかおかずがご飯を隠してますよ的弁当には当たりが多い。山形の牛肉ど真ん中が典型だ。真ん中の梅干しも良い趣味だ。ワシワシと飯を方張り、米を楽しむ弁当だろう。
あんこうの唐揚げは、普通にうまい。サカナの唐揚げといえば白身魚のフライが乗っていることが多いが、あれはほか弁だけが許される手抜き技だろう。駅弁世界では、やはり白身魚は避けてほしい。その点で、このあんこう唐揚げは大正解だ。ソースなどいらない、衣の味付けとのバランスが良い。ちなみに明太子が乗っているのは、大洗に明太子の視察型工場があるせいだろう。明太子は加工品たから大洗でタラが取れるわけではないと思う。
腹ペコの時に食べるにはうってつけの駅弁だった。今度は、大洗にあんこう食べに行きたいぞ。