旅をする

各停の旅 常磐線制覇

青春18きっぷという各駅停車限定で5日間乗り放題のptp区な切符があり。学生の休み時期に合わせて春・夏・冬にそれぞれ発売される。時間に余裕があれば割安で旅ができるので、若者向けに発売された経緯があるようだが、今ではすっかり高齢者用の格安切符になっている気がする。その18切符のJR東日本限定版が、7日間乗り放題で発売されている。試用期間も全国版より長いので、東日本旅をしたい時にはこちらがお得だ。
特に、新幹線開通によって私鉄化された路線、旧東北本線など18切符では使用できない路線もJR東日本系ということで乗ることができる。18きっぷのようにバラバラの日程にして使用することができないので、連続旅をするのが制限としては一番厳しい。
それでも東日本を旅するのであれば、使い勝手は良い。各駅停車の旅は、時刻表を見てダイヤを調べて接続を考える。スケジュールを立てるのが一番の楽しみだと思うが、長旅になると荷物が多くなるのでそのあたりの調整も考えに入れて旅程を決める。

今回の目的地は青森県下北半島の果てなので、行程的には調整の余地がある。東京周辺を早い時間に出発すれば、八戸まではギリギリ行ける。ただし、八戸に着くのはだいぶ遅くなる。おそらく1日乗り詰で到着したら寝るだけという「移動旅」になる。今日行軍するほど日程に余裕がないのであれば、この切符を使う意味もない。新幹線を使えば八戸往復は日帰りでも可能だからだ。
ということで、八戸までにどこかで一泊することにする。そうすると仙台から盛岡までであればどこで泊まっても良い。観光するところもないので、多少時間はかかるが常磐線まわりで仙台を目指すことにした。常磐線は大地震以降しばらく運行できなくなっていたが、最近全線開通したので海沿いを走る路線を楽しめる。

常磐線で水戸まで

常磐線は日暮里から乗り継いだ。日暮里駅から水戸までは一気に行ける。正確には勝田まで行けるのだが、そこから先は「いわき」行きになる。始発駅は水戸なので、水戸で乗り継ぐことにした。待ち時間は30分ほどあるので駅前周辺をぶらつく余裕がある。

鉄板モデルの御三方

水戸といえば思い出すのは「黄門様御一行」と納豆くらいだ。とりあえず銅像を見に行った後で駅弁を買い込むことにした。水戸駅では駅弁専用売り場がないようで、改札内のキオスクで買うことになる。あまり風情がないなあ、などと文句を言っても仕方がない。

水戸からいわき

水戸から岩木に行くまでの間は、里帰りなのか観光なのかよくわからないが、明らかに遊びに行くのだという感じの乗客が多かった。水戸から先は常磐線に乗ったことがなかったので、多少期待感はあったのだが、なんとも普通の通勤電車っぽい感じがする。よく考えれば旧ハワイアンセンターがあるから、やはり観光地なのだろう。

岩木の駅で降りると待ち時間がまた30分ほどある。駅の外に出てみたが、駅前は予想を超えた商業地区で、思い出して見るといわきは人口が30万人近くある福島県で第二の都市のはずだ。と、気になって調べたら、いわき市が福島の人口第一位だった。お見それしていました・

改札の中には不思議な猫キャラがいた。どうやら電車のキャラらしい。鉄道に乗るのは好きだが、車両の形式を覚える体の鉄オタではないので、型番を聞いても何も思い出せない。仕方がないのでネットで調べてみた。新型「ひたち」の車両のことだった。でも、なぜ猫キャラなのだろう。

各駅停車の旅でよく指摘される問題?が、トイレの使用と食事の時間になる。各駅停車での移動を効率的にしようとすると、待ち合わせ時間の最優先事項はトイレになる。行きたかろうが行きたくなかろうが、ともかくトイレに行って出せるものは出す。乗車中で催して途中下車すると、次の列車が車で2時間待ちなどザラだ。下手をすると午後早くに終電になる可能性もある。また。昼飯をどこかで食べようよ思っても、駅前に都合よくファストフードの店があることなど稀で、食堂すら開いていない駅の方が多い。となると、移動中に列車の中で駅弁を食べるというのが旅情をそそる美しいプランに思えるが、各駅停車の場合、ちょっと周りの目を気にする感じもある。特に、コロナの後では車内飲食が憚られる雰囲気もある。昔懐かしの駅弁にワンカップでのんびりと車窓を楽しむというのも、相当難度の高い技になってしまった。だから、改札内待合室などでコソコソと駅弁を食べる。ただし、その後で、構内ではすっかり減少したゴミ箱を探しにいかなければならない。各停旅の難度が上がっている。

常磐線北部は10年近く普通になっていた。ようやく最近になって再開運行が始まった。ただ、駅前の風景を眺めて見ると、やはり10年間の停止時期が駅前の商売を破壊したのだという気がする。ここに着くまでの途中駅は、あちこち新築になっていた。駅前も再開発が進んでいる。ただ、町の人たちがみんな戻ってきたわけではない。駅前がきれいになっても、街が復興したわけでもない。まだまだ解決まで時間がかかることは車窓から見ているだけでもわかる。

原ノ町から仙台まで

この辺りが有名な相馬の馬追をやるところだったのかと、駅に降りて初めて気がついた。

改札を出て辺りを見回したら、やはりいたぞ、駅キャラ。と思ったが、どうもこちらは相馬馬追のキャラみたいだ。最初は犬耳娘かと思ったが、どうも尻尾と合わせて見ると馬むすめみたいだ。しかし、待て待て。ひょっとすると美少年キャラかもしれない。最近はキャラの世界もジェンダーフリーだからなあ。

横には、お馬さんのモックもあった。今度は時間をゆっくり撮って馬追を見に来たいものだが、その前にもう少しソウマのことを研究しなければなと反省した。

新幹線に乗れば2時間を切る移動時間で仙台まで辿り着ける。そこを5時間以上かけてのんびりと移動するのも楽しみだと思うのだが、どうもこののんびり移動の楽しみはあまり理解してもらえないらしい。
この話をすると周りの感想は「暇だねえ」だし、「時間の無駄遣い」と言われることも多い。言っている意味はわかるが、のんびり旅行が時間の無駄遣いであるとすれば、クルーズなどその最たるものだろう。クルーズ旅行をする人に「暇だねえ」という人は少ないだろうと思うのだが。「贅沢だねえ」という人が多いのではないか。それと比べれば各停の旅は「貧者の陸クルーズ」だと思う。

仙台からもうひと頑張りすれば、盛岡くらいまでは行けるのだが、夜汽車になると窓の外は真っ暗になり景色も楽しめない。各停の旅は日没前までとするのが良いと思う。仙台到着は午後4時。ちょうど良い時間だった。

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