街を歩く

新宿の風景

新宿東口にあるヨドバシカメラは、時代を移す鏡だと思う。その時の消費者の関心の高さ、つまりよく売れる商品を1階に並べ、階数が上がるごとに商品の人気度合いが落ちている、という見方をしているのだが。
コロナの間で起こった変化は、つまるところ新宿にインバウンド、海外観光客が来なくなったことが主因だと思っている。日本人客に普通に売れる商品は何か、ということでこの2年間何度か売り場が変わった。最初に起きたのは、高級一眼レフを主軸にしたカメラ売り場が一階から無くなったことで、その代わりに一階の主になったのがコードレスイヤホンを中心とした携帯オーディオだった。
それが(つい最近らしいが)、一階の主がスマホになった。同時に、2階3階にあったパソコン、テレビなどの映像系機器が最上階方面へ追いやられた。エンタメ系家電が追放され、おうち時間の増大に伴う家庭内家電、つまり調理や掃除洗濯といった毎日使うものに重心が移ったらしい。
そして、ヨドバシカメラの見立てではインバウンド観光客は当分のあいだ商売相手にならないということみたいだ。
スマホ館だった隣のビルは時計館になってしまったし、カメラ売り場は隣のゲーム館に移された。花形商品が脇役にされた気分だが、おそらくこのヨドバシカメラの見立ては時代認識として正しいのだと思う。

そのヨドバシカメラで黄昏系売り場になったオーディオ系商品だが、ついにシステムコンポ(スピーカーとアンプとCD/ラジオなどの音源装置が組み合わさったもの)は売り場ごと消滅で、西口本店のオーディオ専門コーナーに行かなければならないらしい。もはやシステムコンポは化石商品の認定を受けたというしかない。
そのオーディオコーナーにまさかのラジカセが新発売されていた。音源はカセットデッキとラジオだけでCDは不可だ。なんだか50年前くらいに売っていたものと同じに見える。FMのバンドは広いので、最近のAMラジオがワイドFM化したものは聴ける。
カセットテープの音源をUSB、SDにダビングできるというのが現代的機能だが、もうすでに昔のカセットテープなど全部捨ててしまった。つまり、これを買っても聞くための音源がない。カセット付きのシステムコンポも捨ててしまった。
時代は変わるものだとしみじみ思ってしまう。まあ、カセットテープが現役だったのは1990年代前半くらいまでだから、いまや現物を見たこともない人たちの方が多くなってきているのだね。

ヨドバシカメラで現代消費文化の考察をした後、もう一つの現代文化を視察に行った。どうやら映画のヒット作が続いているらしい。海外の大作もなるほどだが、あれも前作をリアルに見た世代はそろそろ墓場に足を踏み入れる年に近いななどと思ってしまう。
そして、どうやら映画館がイチオシしているのは女性5人グループのキャンプ・アニメで、なんだか妙にコロナの時代にあった出し物だなとしみじみ思ってしまった。ここ最近の大ヒットといえば、エヴァンゲリオンの最終編だったが、あれもリアルで放映していたのは20年以上昔で、完結編が出るまで喉に骨が刺さったような気分の元・若者がいかに多かったかということだろう。
コロナ前に深夜枠でヒットしていたソロ・キャンプが題材のアニメが、コロナの終わりに劇場版アニメとして完結するというのも、やはり時代性だと思う。もはやアニメは子供の見るものというディスニー以来の伝統からはみ出して、いろいろな大人が色々な好み、テイストに合わせて鑑賞するエンタメになった。この先も映像制作技術の進化に合わせてアニメがどこまで進化していくのかと期待するが、その進化はアメリカではなく日本で起きて欲しいものだと、ちょっとだけ思った次第。

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