
高知駅前はかなり大きな広場になっている。イベントなどもたびたび行われているようだ。その広場の真前に立っているのが幕末の土佐を代表する方々。どなたも天寿をまっとしないうちに世を去った。生き急いだ方達だった。動乱期とはいえ切ないものがある。土佐出身者で明治政府と関わりを持ち長生きした方も多いが、長生きした方達はどこかでひっそりと銅像になっている。ものの哀れという言葉が浮かんでくる。

その銅像の裏側に高知の幕末イベントを開催していた館を改造した観光案内施設がある。中には、土産物屋や高知各地の見どころの紹介など、高知を楽しむための情報がたっぷりと用意されている。

館内には坂本龍馬の実家を再現した日本家屋が設置されている。昔の武家屋敷などとはちょっと異なる、町屋の武家屋敷というか、商家と武家の合体屋敷というか、面白い作りになっている。
来年の朝ドラでは高知出身の植物学者がモデルになっているから、その辺りの宣伝もさりげなく幕末武家屋敷に・・・というのが高知らしさか。観光立国を標榜する高知県だから、これくらい頑張らなくてはねと思った。

そんなことを思いながら出口を出たところに、最新ヒットアニメの舞台もさりげなくアピールしていた。歴史的な名所旧跡めぐりだけではなく新・聖地巡礼対応もさりげなくというのは観光地として重要だ。アニメ・ツーリズムは周辺グッズの販売を含め今や成功ビジネスモデルだし、アニオタのほうが下手なインバウンド客より金使いは荒い。(はずだ)
少なくとも幕末もので興味を引くより、新アニメに協賛してヒットを狙う方が、若い世代には響く企画になるだろう。アニメで高知に引き込み、高知に来たら美味しいものもあるし、楽しいところもあるしと、二重三重に畳み掛ける立体型マーケティングの仕掛けが欲しいところだ。
某公営放送の大河ドラマや朝ドラの観光客吸引効果はそろそろ見直しが必要だろうと思う。そもそも某公営放送の年代別視聴率を見れば、誰をひっぱれて、誰をひっぱるのは無理というのが明白だろう。
最近の高齢者は旅に出ても土産を買わないという調査結果を見たことがある。要は高齢者も昔ほど購買力がないのだ。「推し」に対しては金を惜しまない若者世代(一部中高年を含む)にターゲットを当てた「観光マーケティング」が必要なのは高知県だけではないのだろうけれど。それでも幕末コンテンツに寄りかかりすぎでは・・・。
個人的な思い込みで「がんばれ、高知」と言いたいのでありますよ。