
高知空港からJR高知駅までは連絡バスで20分ほど。昔は40分くらいかかっていたが、高速道路と接続したバイパスができたせいで時間短縮した。高知の繁華街であるはりまや橋付近にも停車する便利の良さだ。初めて高知に来た時は国鉄時代で、旧高知駅はほとんど印象に残っていない。それからしばらくしてJRになってから駅の高架化工事、改装工事が行われて、今の美しい高知駅になった。
JRのあちこちの駅を見てきたが、ここ高知駅と金沢駅が美しい駅のワン・ツーだと思う。復活した東京駅丸の内側のレンガ建も趣があるが、現代美術的な造形美は高知駅だと思う。

その高知駅の改札内には、これまた高知らしいというか、なんとも駅には不似合いなオブジェがさりげなく置かれている。昔だったら改札口を出たあたりにガラスケースに収められて飾られていそうなものだが。「歓迎」ではなく「歓鯨」なのだから、高知に来たら鯨を見に行けよということか、鯨を食べろということか・・・。

高知市内はあちこちにアンパンマンのアート作品がさりげなく置かれている。境港のように鬼太郎一族オンパレードにはなっていないが、市内のあちこちにある〇〇パンの皆さんを探すのは楽しい。その第一歩がこの改札からホームに上がる階段だ。
ただ、これは高松方面から来るアンパンマン列車に乗ってくると、気がつかないまま改札を出てしまう。高知駅からアンパンマン列車に乗ろうとすると、その時初めて目に入る仕組みなので注意が必要だ。おまけに、エスカレーターで楽をしてホームにあがろうとするとこの階段の脇を通りぬけなければならない。楽しむには「足」を使わなければならない。まあ、小さい子供であれば元気だから問題ないだろう。孫を連れたジジババにはちょっときついか。

高知に3年も来ないうちに、駅の中も色々と変わっていた。改札横におしゃれなカフェができていた。以前からカフェだったかなと記憶を辿ってみたが定かではない。とりあえず高知駅内には飲食スペースが少ないので、この場所は列車の時間待ちを含めて便利だ。コーヒーでも飲みながら発車時間まで待たせてもらおうと思ったが、ちょっと小腹が減っていたので、スタッフおすすめのモーニングを注文してみた。
ただ、注文したそのすぐ後、11時からは普通に食事ができるので、後から来たおばちゃんたちはうどんだのカレーだの本格的な軽食(?)を注文していた。本日の日替わりはキーマカレーという声が聞こえてきて、ちょっとだけ残念な気分になった。隣のおばちゃんが食べていたうどんも美味そうだった。

久しぶりに食べる喫茶店のモーニングだが、スタッフイチオシの胡麻ハニートーストにしてみた。小さめの野菜サラダとヨーグルトになぜかワカメスープがついている。飲み物はホット、コールドで色々選べる。普通のトーストセットもあった。ただ、胡麻ハニーは初めて食べる味で、甘さと胡麻の香りが絶妙だった。これは家でもやってみようと思う不思議なお味だ。
高知駅で甘いトーストを食べることになるとは思いもよらなかったが、想像していない体験をすることも旅の楽しみの一つだ。「高知ならではの「もの」ばかり漁っていても町を楽しめない。その町で普通に食べられている今まで見たことのないもの、そんなものを探すのも良いものだ。などとのんびりモーニングセットを楽しんでいたら、高知駅名物駅弁を買うのを忘れてしまった。
これはやりたくない旅の失敗だった。あー、カツオ飯食べ損ねた。(高知名物のかつお飯は家庭料理なので、なかなか食べられないのですよ)