
幸楽苑のラーメンは、もう20年以上も愛用している。長年変わらぬ味だから、という老舗ラーメン屋的な理由ではない。逆にチェーン店でありながら、これほど頻繁に味やメニューを変えるところは他にないだろうと確信している。色々な理由をつけて味や値段が頻繁に変わる。そして、その変更が長続きしない。不思議といえば不思議なチェーン理論無視の飲食ブランドだと思うが、それでも愛想もつかさず長い付き合いをしている。
その味変更が大好きチェーンの幸楽苑だが、困ったことがあると復活させるメニューが、この「㐂伝」ラーメンだ。一時期は、別ブランドとして専門店展開も行われていたが、いつの間にか幸楽苑ブランドに一本化されて、しまいにメニューから消されたという曰く付きのものだ。
業績悪化やメニュー全面改定の時に、よく季節限定で登場し、季節を超えて延長されることもあるが、いつの間にかまたいなくなっていることも多い。おそらく社内的に味の点で賛成派と反対派が戦っているのだろうなとか、原価率が他より高いのでコストカット派が強くなると削除されているのだろうなとか、人の会社の中をあれこれ想像して楽しんでいる。
それでも自分の一番好みメニューだ。だから、サイトで「あの伝説のラーメンが復活」と告知されれば、いそいそと食べに行く。
しかし、復活と言いながら味はその度に変わっているのも間違いなさそうだ。その大好物な限定メニューが今回はずいぶんロングラン営業をしていて、そろそろ限定期間が一年近いのではないかと思う。経験的にはそろそろ終売しそうだから、なくなる前に食べ納めしようと出かけてしまった。

ただ、このラーメンは決定的な問題として、ルックスが悪い。味は好きなのだが、見た目が貧相すぎる。上の写真で見て分かる通り、チャーシュー二枚となるとが乗っているが、これはたまたま提供時の状態が良好な例外的な見栄えで、過去の経験値で言うと、2回に1回はチャーシューとなるとがスープの中に埋没している。いわゆる「素ラーメン」状態に見えてしまう。
典型的な『映え』のしない食べ物になっている。茶色一色で色気がない。立体感がない。インスタにアップしたくなるような見栄えではない。(個人的な意見です)
そこで、自分の好物のメンマを追加トッピングで注文した。なかなかの量のメンマが小皿で出てくる。それを惜しげもなく(笑)麺の上に投入すると、アーラ大変身。一気に麺の上の立体感が増して、うまそうに見える。ただ、まだ茶色一色だが。
できれば、これに横浜家系ラーメンで使われる大判海苔を2−3枚乗せられればなと思う。だが、残念ながらこの店には「追加海苔」トッピングがない。海苔は、ペラペラとした薄さの食べ物だが、トッピングとしては色の強烈さと立体感矯正にはとても役だつ。ラーメン屋では必須のトッピングのはずだが、なぜかこの店は頑なに海苔を提供しない。うーん、なんとかならないかなあ、と言うのが長年の要望なのだ。
たかがラーメン、されどラーメン。味も大事だが見た目もね……と言いたい。