街を歩く

渋谷駅ダンジョン 危険地帯

年がら年中工事をしているという横浜駅が、何十年ぶりかで工事が終わっているらしいという記事を読んだのが、昨年末近くのネット記事だった。ご興味のある方は「横浜駅 工事」で検索すると、その辺りの詳細がたっぷり出てくる。
ただ、個人的な感想を言わせて貰えば、新宿駅と渋谷駅も永遠に工事が続く駅として指名されるべきだと思う。
新宿駅は南口開発から駅地下通路の再構成などで、主観的には20年以上工事が続いていた。コロナが始まってしばらく新宿に行かないでいたら、いつの間にかホーム地下の通路が全面的に変わっていて、ほとんど「お上りさん」状態になるという痛い経験もした。少なくとも、山手線を降りて東口に出るまでは、案内板を見ないでは生き方がわからなくなっていた。そしていまだに地下通路は工事の防護壁が備えられたままなので、相変わらずダンジョンを拡張する工事は続いているようだ。おそらく新宿駅完成形を、生きているうちにこの目で見ることはないと諦めている。
しかし、状況がもっとひどいのは渋谷駅だ。渋谷駅の再開発が始まったのは副都心線の乗り入れ工事だったと記憶している。東急東横線駅の解体、地下化工事が始まった辺りだから、もう10年近い。だが、その前も渋谷駅は国鉄からJRになった時期からあれやこれやの工事をずっと継続しているので、記憶の限界を通り越している。
メトロ副都心線の地下駅ができた直後、事故で地下鉄が止まったことがあった。その時に、何も知らないまま地下の最深層から地上まで歩かされたことがある。確か7階層分だった。全て歩きで、ほとんど山登り状態だ。今でも思い出すのが嫌な苦行を強いられたことから、副都心線はほぼ使ったことがない。使ったとしても渋谷駅では降りない。
地下深くまでモグラされるのは、新築の地下鉄駅では当たり前で、大江戸線の乗り継ぎ駅ではいつも難儀させられる。大江戸線乗り継ぎは、地下深くから地表までの垂直移動に加えて、地下通路をくねくね歩く水平移動も加わることが多い。設計者出てこいといつも思う。特に、JR新宿駅の南北にある大江戸線二駅は、使う気が起きないほどの酷さだ。
それにも増してすごいのが渋谷駅だと思う。メトロ駅の垂直移動が、最初の地獄だとすれば、二番目の地獄は京王井の頭線からJRへ移動する立体通路だろう。今は東急東横店の解体工事中ということもあり、まさに両サイドに立っている防護壁の中を右に左に持っていかれる。つい最近まで覚えていた通路は、完全に存在しなくなっていた。
そして、現在進行形で最悪なのがJR渋谷駅そのもので、南口から乗ろうと思ったら東口の南端まで歩かされた。そして、南口から入ると、またくねくね防護壁の迷路を駅の西口(山手線の外回りホーム)まで歩かされる。
JRの建築設計担当者には人の通行マネージメントという概念は存在しないと確信してしまった。
渋谷駅はホームの上部空間に鳩が迷い込み、あるいは巣くっていたので糞害注意の標識があった。さすがに、鳩も打ち続く駅周辺ビル工事にはビビったのか、あるいは渋谷駅ダンジョンで遭難したのか、最近見かけなくなった。ひょっとしたら開放空間に近い埼京線ホームに引っ越したのかもしれない。
近頃では方向感覚、空間認識に優れた鳩ですら嫌がる渋谷ダンジョンにやられてしまうジジババが大量発生している気がする。
渋谷駅前の横断歩道を渡れば1分で駅に入れたはずが、ふと魔が刺して立体通路を使ったために、渋谷駅内で遭難しそうになったオヤジの愚痴です。

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