街を歩く

高田馬場の看板にみる現代社会

JR高田馬場駅のホームに立ってぼーっとしていた。以前にも描いた記憶があるが、駅のホームに立つ人向けの看板の話だ。原宿駅もこの手の看板が多いが、それはもうちょっとオシャレ系、アパレルや装飾品、ブランド品の「きれいな広告」が多い。
ところが、高田馬場の4連張りの広告は「漢字」主体、画像イメージなしの超硬派なもので、確かに進学塾らしい真面目な看板だなと思ってしまう。ところがよくよく眺めると、敦子知に読めない漢字が書かれてあり、それが簡体略字であることから大陸から来た中国人向けの広告であることがわかる。学校名だけ見ると、納得の進学塾っぽい名前なのだが。しかし、中国人向けの進学塾(日本語学校ではない)というあたりが、世相を表していると思う。そして、高田馬場駅に4連張りで広告があるということは、この辺りに大陸系中国人の大コミューンがあるのだろうなとも気がつく。隣の駅の新大久保がコリアンタウンとなっていたことを考えると、高田馬場と池袋の間あたりにチャイナタウン、住宅密集型があるのだろうかと想像してしまった。中韓混在地域は想像しずらいし。しかし、連絡先が携帯ナンバーというのは、これまたびっくりだ。時代は変わっているという実感がする。

その進学塾看板の横には真っ白な空白部分があり(広告主不在というか、売れ残っているというか)、これまた漢字だらけの看板があった。こっちは何の広告かと思ったら、どうやら普通の日本語が書いてあり、日本人向けの看板だった。お墓ではなく納骨堂というあたりが都会っぽい。お墓の広告であれば、終活に入った高齢者向けだろうと思うが(自分でお墓を準備するため)、納骨堂となればそれなりに若い人向けだろう。急に親が逝ってしまったりすると墓の用意もすぐにはできないみたいなことだろうか。
未来に向けての進学塾と、終わってしまった人生の整理の広告が並んで立っている。何とも今の日本を表す光景のような気がする。日本人にとっては黄昏の時代ということなのだろうかと、かなり暗い気分になって山手線の電車に乗った。

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