街を歩く

外食DX考察 ガスト

ありがたいことに、いくつものファミレスや居酒屋チェーン店が自宅から徒歩圏にある。便利な割にあまり行かないのは、いつでも行けるという安心感が逆に働いているせいだろうか。コロナ感染の2年間、ほとんどファミレスに行っていないのは、感染対策ができていないなどというネガティブな発想からではない。こと感染対策に関して言えば、いい加減な政府の指示より数段上の対応をしていると思っている。単純に外出の機会が減り、車を運転しなくなり、といった要因からだ。
ただ、頻繁にテイクアウトで買ってきて食べるというほど、ファミレスを含めた外食各社の対応、商品を評価していないというのも確かだ。個人的には、外食各社のテイクアウト対応は「ひどいレベル」の一言に尽きると思っている。普通に調理した商品をそのままプラスチック容器に入れて、テイクアウト商品ですと提供しているだけだ。これでは、商売を舐めていると言いたくなる。

そういう一般論はさておき、ファミレス業界最大手の一角を占める「ガスト」は、アフターコロナを見据えた業務改革が進んでいるように見える。DXという視点で言えば、ガスト(すかいらーくグループ)が業界内で最も先進的ではないかと思う。
アフターコロナの対応として、店舗運営のDXを薦めるポイントは三つだろう。一つ目は「非接触」の推進。二つ目は「省人化」。三つ目が「キャッシュレス」。そして、事業領域の複層化として「テイクアウト専業」が目標になる。
レストランで重要な要素「コミュニケーション」については、別に論じるべきだろう。この話を蒸し返すと永遠の哲学議論になりそうな気がする。
まずDX第一歩として「注文」の部分をタブレット化することは、ガストが先行している。他のファミレスではまだ導入されていない。従来型の紙メニューブック、従業員が注文を取る方式が全盛だ。タブレット導入で先行した居酒屋、回転寿司も、タブレットの仕組みについては何度も改善を繰り返している。
人が注文を取る仕組みでは、「人」が吸収していた目に見えない問題が、タブレット注文では露骨に現れる。システム改修が数段階で繰り返される。システム改善は必然に発生する作業なのだが、それには時間も金もかかる。そして、改善に取り掛かるには店舗内での検証と試行錯誤が欠かせない。
その点で、ファミレス業界では検証作業が進められているのがガストだけとなる。他のファミレスはこのままで大丈夫か? と聴きたくなるくらいだ。

ただ、ガストも紙メニューの完全撤廃には至っていない。やはりメニューの一覧性であったり、うまそうな写真が与えるイメージやインパクトなどタブレットの弱点解消もまだ検証途上ということだろう。紙製のメニューを見ると、「ハンバーガー」推しで行こうと考えていることはわかる。ただ、この一覧性を生かしたメッセージ発信がタブレットでは難しい部分だ。

非接触・省人化を合わせた解決策が配膳ロボットの導入で、これもガストが先行している。ただ、テーブルに置かれている、この「ロボットの説明書」はもう少しなんとかならないものだろうか。まさに実験段階の「やっつけ作業」的説明書でしかない。ダメな家電製品マニュアルに似ているな、と笑ってしまった。日本語は間違っていないようなので、外国企業に外注して作業をしているということもなさそうだ。

たまたま注文した朝食は人間が持ってきてくれた。卵とトーストの朝食としては、ガストが一番低価格だと思う。オプションでソーセージとベーコンをつけることもできるが、このシンプルな朝食が望ましい。郊外型喫茶店と比べても十分戦闘力がある。ただ、問題は開店時間が9時というところで、朝食帯としては遅すぎという懸念がある。9時から朝食というのは、週末ならブランチとしてアリになるが、平日だとサラリーマンの朝飯としては無理がある。9時から朝食を取るというのは、ちょっと変わった職種の習慣のような気がする。

アフターコロナの感染症対策で、政府のいい加減で科学的ではない指導を、どう実現させるかは難しい課題だ。(笑)
ところが、その非科学的対応をしなければ補助金がもらえない。 だから、今のレストランでは混乱が起きている。政府の指示より、もっと顧客を安心させる科学的な検証を経た対策を各社が望んでいるのも確かだろう。しかし、多額の設備投資が必要な強制換気の改善には及び腰な企業も多い。
その点、ガスト(すかいらーく)は店の入り口の一番目立つところに「換気」の話を取り上げている。マスク会食よりも換気というのが、大事なポイントだろう。ここに黙食とかけないのが、ファミレスの辛いところだ。一人飯はファストフードではありにしても、ファミレスでは推奨しずらい。

アフターコロナというか、コロナ拡大中の客数対策として始まった「客席のオフィス化」がこの先どう進展するのか楽しみだが、少なくとも電源確保と無料Wi-Fi整備は、業界大手ガストとマクドナルドが断然先行している。
レストランといいう空間が、食事をするだけではなく多目的に使用される時代が本当に来るのか、それがテイクアウトの事業化と合わせてこの一年の課題だと思うのだが、そこはまだ混沌としているようだ。
ただ、こと朝食時間帯に関して考えると、ガストが一番使い勝手が良さそうに感じる。朝食のうまい不味いではなく、店内の明るさ、BGM、電源、Wi-Fiなど環境が仕事向きだからだ。レストランを選ぶ要素が、アフターコロナでは「食もの一択」ではなく「すごしやすさと環境整備」に複雑化するという見本ではないだろうか。
ちなみに、コーヒーだけで言えばデニーズが好みだが、仕事をするならガストの窓際席、のんびり本を読む考え事をするのであればロイヤルホストの奥の席、みたいな使い分けもできる。 
意外と使いにくいのが郊外型喫茶店で、テーブルの広さや店内の明るさなど、喫茶店らしい落ち着きのある空間が、仕事・作業をするのには向いていない。
DXで先行しているガストの実験がいつ検証されるか、業界としては見ていく必要があるだろう。    

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