
随分前だが、自宅周辺のスーパーで羊羹パンを見つけた。それと同じものを札幌駅の土産物販売店で発見して、ようやく納得した。この羊羹パンはかなりロングライフで普通のスーパーで売っている菓子パンとは違うなと感じていたが、土産物用だったのだ。隣に並んでいるどら焼きと同じ扱いで、「生」な食べ物ではなかった。気になっていた小さな疑問が解決するのは嬉しい。

その羊羹パンみたいなちょっと変わったパンを探そうとすると、セコマに行くのが良い。北海道パンライフのライフハック?だ。セコマの商品開発陣は相当に尖った線を攻めてくる戦闘的チームなので、たまには大ヒット商品を送り出してくるが、凡作というか「アレっ」と思う怪作も多い。まあ、そこが楽しみなのだ。今回の新商品の一つは復活商品らしい。「ごまあんぱん」と言われれば、確かに普通のアンパンではない。串団子に使われるごまだれみたいなものだろうか。

あれこれ考えながら食べてみたが、普通に胡麻の味・香りがするあんぱんだった。なぜこれが一度廃番になり、なぜ今回復活したのか、その辺りのドラマがわかればもっと楽しめそうだなあ、などと考えつつあっという間に完食した。確かに胡麻味の餡はうまいと思う。

怪作というべきなのだろう「カレースパ」の調理パンも同時に発売中だった。焼きそばパンの変形ということは見ただけでわかる。ただ、カレースパ自体がマイナーな存在のような気がするので、なんとも形容しがたいというか・・・。
去年発売されていた味噌ラーメンパンが予想以上に旨かった記憶がある。ひょっとしたらこれもイメージとは違う凄さがあるのかと期待してみた。セコマパンの尖り具合が発揮されていると思った。
結果は、やはり「怪作」だと思う。言葉のイメージ通りの味だが、スパイシー感はほぼない。まあ、セコマだし、こんなこともあるよと笑って済ませれば良い。「怪作」は怪作なりの楽しみ方がある。後悔したりしない。

それにしても4月という特殊な時期のせいか、新商品があれこれ登場していた。セコマ得意の山わさび風味のちくわパンは怪作的な新作だろう。ただ、食べてみれば思っていたほど山ワサビの鼻にツーンとくる感じはしない。ちょっと期待はずれかもしれない。
十種の野菜のカレーパンは、どんな野菜が入っているのだろうと思ったが、食べてみるとあまり野菜感が感じられない。ソースの中に野菜が溶け込んでいるのかと好意的に解釈することにした。これは「凡作」というところか。カレーパ好きには物足りない気がする。
クイニーアマンは、「言ったもの勝ち」という典型的な名前だけパターンで、クイニーアマンに似たようなもの、似せて作ったものとして寛容に受け入れるべきだ。ただ、甘いパンとしての仕上がりは抜群に良い。表面のカリカリしたキャラメラーゼが絶妙だ。また書いたいと思わせる仕上がりだった。だから、これは違うネーミングにすればもっと売れそうな気もする。洋菓子好きには逆効果なネーミングだから、その点が惜しい。
どのパンをまた買ってみたいかと言われれば、このクイニーアマンがダントツだ。



なんといえば良いのか、チープシックという言葉がよく似合うのがセコマのパンなのだが、やはり「怪しい新作」を試して、かつそれを許す度量が要求される。セコマファンは心が広くなければ続けられないようだ。
新作のアイスは抜群の出来だったが、その話はまた別の機会に。