街を歩く

サッポロの街ハズレ

サッポロの地下街が誕生したのはオリンピック開催の頃だからすでに半世紀が経つ。その後もじわじわと増殖が続き、今では怪しいダンジョン一歩手前になりつつある。元祖ダンジョンの大阪梅田地下街にはまだちょっと敵わないとも思うが、増殖の機運が続いているので世紀をかけて100年ダンジョン計画だと言い張れば良いのかも、などと思っている。この地は、またゾロオリンピックをやりたがる馬鹿者政治屋とその一味がいる街なので、本当に100年計画化しそうなのが怖い。
そのダンジョンの東の端にあるサインというか看板が散歩の途中に目に止まった。オーロラタウンというのは札幌の名物、大通公園の地下にある地下街の公式名称だ。この「名称」が金のネタになる時代に、いまだにネーミングライツ販売されていないらしい。
まあそれはいいのだが、公式名称の下に有名チェーン書店の店名が書かれている。おそらく看板のスポンサーというか設置をしたのが書店なのだろうと想像できるが、今の時代で考えると何やら権利関係も含め怪しい気がする。どちらかというと書店より地下街運営団体の怪しさだ。きっと何十年も続いている習慣で誰も気にしていないのかも知れない。TMも©︎もないから、地下街公式名称は利用し放題ということかも知れない。権利関係に鷹揚な昭和の看板なのだろう。だとしたら、この看板は何十年ものだ?

その看板のすぐ近くに、さっぽろテレビ塔の地下入り口がある。テレビ塔の地下入り口というのもなんだか不思議な感じがするが、テレビ塔が先に建設され、その地下にあった食堂街に地下街が接続されたということだろう。
こちらの看板は、さすがに権利関係があちこちに現れている。この髭を生やした赤い存在はさっぽろテレビ塔のゆるキャラで、フィギュアなどの商品化もされている。
看板を見れば、出店しているブランドもそれなりに渋い玄人好みの銘柄が並んでいて、観光名所というより地元民優先の隠れグルメスポット的な雰囲気だ。やはり運営団体の商売観みたいなものが見え隠れする。
たった20m程の距離で見つけた散歩の楽しみだった。

その後、オーロラタウンを東から西に歩き切ると地下鉄大通りの改札口に当たる。そこを左(南)に曲がれば、札幌一の繁華街である4丁目界隈を抜けて薄野まで続く「ポールタウン」になる。右(北)に曲がれば、札幌駅まで続く通称「チカホ」(正式名称は知らない)に分かれる交差点だ。その交差点を地上に向けて登れば、バブルの時代に最初に潰れた都市銀行の本店跡地に経つ商業ビルに出る。その2階にあるのが最近お気に入りの喫茶店で、例の東京オリンピック出張マラソンを眺めるにはベストポジションだったはずだ。窓際の席に座って大通公園を眺めながらぼうっと過ごすのが好きなのだが、ここ2年ほどはコロナのせいか客もまばらだった。
ところが、今回はほぼ満席でようやくテーブル席が確保できた。ここ二年間は店内で大声の会話など聞いたこともなかったが、久しぶりの店内では中年のおっさんグループ(黒のスーツにネクタイ)が、地元政治屋の生臭い話をしているのが筒抜けだった。どうにも中年男には学習機能が備わっていない奴が多いのだと思っていたら、そのあと女性3人組がこれまた大声会話で参戦し、コロナで何も学習しないお馬鹿さんに男女差はないことを理解した。さっさと退散したのはいうまでもない。我が愛しの喫茶店はもはや「低学習能力者の巣窟」になったらしいので、当分行くのはやめることにする。ここのドリップコーヒーは本当に美味いのだが。

散歩の後の至福の時間は、やはりアルコールではなく珈琲に限ると言うのは、昭和生まれの感傷でありますね。

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