街を歩く

埼玉の桜と 埼玉の残念

埼玉県ときがわ町 見事な桜

そろそろ関東圏では桜が終わる時期だが、川沿いの歩道にある桜並木というのは、やはり絵になる光景なのだろう。東京では隅田川沿いの桜が有名だと思う。確かに上野公園の宴会会場になっている桜より、川沿いを散歩しながら見る桜の方が、なにやらありがたみがあるような気がする。
全国あちこちに、そうした「散歩」用の桜並木はたくさんあるが、場所によっては桜の下に菜の花が満開という、これまた絶景スポットといべきところもある。埼玉県蓮田市で駅から10分ほど歩いた住宅地に、菜の花と桜の豪快なコラボ風景が見られる場所がある。ただ、開花のタイミングが難しいので毎年見られるわけでもないようだ。
日本全国、どこの街にもそんな桜スポットがあり、地域の人たちの楽しみになっている。まさに桜は春の訪れを宣言する「日本の花」だろう。春以外でも夏、秋、冬、それぞれの季節を代表する花は存在する。ただ、桜ほど誰にでも愛される花が存在するかというと、想像するのは難しい(多分)。
夏はひまわり、秋はコスモス程度しか思い浮かばない。花の知識が欠落している自覚はあるので、花景色について語る資格はないとは思う。だから、埼玉が桜の名所と言い張るつもりはないが、それでも桜を楽しむ場所は埼玉にもたくさんある。春が好きなのは、桜のせいだろう。

そんな春に、ちょっと残念なニュースを見つけてしまった。自分でも度々購入している埼玉の和菓子屋での事件だ。川越はさつまいもで有名な場所で、この和菓子屋もさつまいも菓子を製造している。そのさつまいも菓子(チップス)の誤表示が問題になった。南九州の他企業が製造したチップスを購入し、自社工場で再包装して販売したが、製造元(南九州)のことは書いていない。つまり、九州産を川越産と誤解するような書き方になっているというものだ。
別の例えをすれば、中国やタイの工場で製造した商品を日本に輸入してきて、埼玉の工場で袋詰めしました。袋に詰めたのは埼玉なので国産です・・・みたいなものだろう。
食品表示法の改正時には、この手の表記について随分と業界を挙げて検討していたはずで、「すいません、ちょっと忘れてました」という言い訳はどうにも怪しいと思ってしまう。
ちなみに、大手スーパーなどで販売しているPB商品、自社ブランドの商品も、今では下請けの製造工場名を表記しなければいけなくなった。例を挙げると、カップ麺では東洋水産、サンヨー食品など、下請けというには随分な大手メーカーで製造していることがわかる。それを併せて考えれば、この「お詫び」は随分お粗末なものに感じる。
この和菓子屋の名物である最中を愛用していた。知人への手土産に、「埼玉の地元では人気の名物です」と使ってきた。ただ、こうなるともはや手土産には使いにくい。食品を取り扱っているところでは、下手をすると当てつけと思われるかもしれない。自分で食べる分には諦めもつくが、それもなんだかモヤモヤした気分になる。

せめて該当商品を販売中止にしてくれればなと思ったが、この「お詫び」を読むと表示を適正に変えて販売は続けると書いてある。ブランド維持とリスク管理、どう考えているのか、他人事ながら心配になる。埼玉の「残念な春」のニュースだった。

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