
パン屋を目指して行き着いたところがキャンプ場だったという、なんとも不思議な経験をした。要するに、キャンプ場のセンターハウスというか食堂で、パン屋の営業を始めたらしい。確かに、キャンプ場は営業が週末、長期休暇型なので、平日や閑散期の商売安定のために、パン屋を始めるというのは良いアイデアだと思う。特に埼玉県北西部の山沿いにあるこのキャンプ場は、周りが住宅地でもあり平日需要はそれなりに期待できそうだ。
ネットで調べてみると、このキャンプ場は元公営の施設だったようだが、今は温泉ホテル経営の会社によって運営されているらしい。最近キャンプ場は全く利用していないので、ひょっとすると今の流行りはこの手のハイレベルな施設なのかもしれない。しかし、ピザ釜が借りられるというのは、単純にすごいなと思う。昔々、コールマン社の組み立て式のオーブンでピザやパンを焼いて楽しんだこともあるが、あれはやはりおもちゃの類だった。石窯とはねえ・・・と感心するしかない。

そしてこのキャンプ場は川沿いにある「グランピング」施設が主体のようだ。離れたところにテントサイトもあるのだが、この超高級グランピング・テントを見てしまうと、心が半分くらい持っていかれてしまうだろう。何も知らずにテントをサイトを予約してきたら、楽しいキャンプ気分をぶち壊してくれる「凶器的存在」だ。でも、ここで泊まってみたいというワクワク感が湧き上がる。困ったやつだ。

また、この季節ならではの光景だが、桜並木沿いにグランピング施設が並んでいる。いわゆる「映え」のする光景だ。春休み中ということもあるのか平日にも関わらず利用者が多い。朝のキャンプ場といえば子供の声で騒がしいというのが相場だが(まあ、それを楽しむのもキャンプらしさではあると思う)、ここは意外と静かだった。大人のグランピング場ということと、朝食はセンターハウスで楽しめるらしい。

サイト脇では川のせせらぎの音を聞きながらハンモックでまどろむという、なんとも贅沢な時間が楽しめるらしい。なんだか、昔に貧乏キャンプをやっていた頃のことを思い出してしまった。テントを貼るのが面倒くさくなり、車中泊のできる車に買い替え、全国あちこちにキャンプに出掛けていた。それでも外で焚き火をしたくて、ホテル泊まりはほとんどしなかったのだが、今では焚き火のできる「グランピング」があるのだな。であれば、車中泊などもする必要がない。良い時代になったものだなあ。