
新宿三丁目にある飲み屋、居酒屋の中で一番通い詰めた?お店が池林房だ。きっかけは、愛読している椎名誠エッセイの中で見つけたような記憶がある。だから、ある時ふらりとはいってみた、というのが使い始めだった。誰かに紹介されて行ったのではにのは確かだ。
まだ、世の中で喫煙が自由だった時代で、店内がタバコの煙で煙幕がかかっていたような気がする。後で知ったことだが、オーナーが北海道出身で、メニューに北海道的なものがたくさんあることも、この店を気に入った理由だった。二つ目の理由は日本酒のグラス売りの種類が多いこと。まだクラスで日本酒を飲むのが、ちょっとおしゃれ感じがする時代だった。隣の席の会話が筒抜けで、良くも悪くも大部屋的な雰囲気が好ましかったこともある。いわゆる、ワイガヤ的雰囲気だった。
新宿三丁目で飲むといえば、まずここが思い浮かぶ。支店も何軒かあり、お店の雰囲気が微妙に異なっているので、飲み相手に合わせて店を変えたりもした。それでも、本店が一番好みであることに変わりはない。

まさか潰れてはいないだろうと思いながら、恐る恐る店の前に行ったらなぜか入り口にチェーンがはられていて、ドキッとした。夜逃げ、倒産したら、だいたい入り口、裏口がチェーン封鎖される。もしや、と思ったが入り口の案内を見て安心した。管財人の封鎖告知ではなく、「まんぼう」による休業案内だった。
確かにこの店は終電近くまで賑わう、深夜型の店だったからお休みするのも仕方がないかと思う。


休業明けには、誰か知人を誘って一杯やりに行こうとおもうのだが、ここしばらくは新宿三丁目散歩の結果を踏まえて、行かなければいけない店が増えすぎてしまった。まず優先順位をつけなければいけないが、順当に選べばこの池林房が第一号になる。
春の新宿三丁目詣では、なかなか忙しいことになりそうだ。