銀座を歩いて思ったことを、整理もしないでバラバラと並べてみた。

銀座マリオンが開店した当時、なぜか日本中でからくり時計がブームになり、あちこちで設置された。この銀座の新しいランドマークは時間になると人混みができるほどの人気スポットだったが、この午後5時のカラクリショーには見物客が一名(自分)だけで、あとは誰一人足を止めることもない。時代は変わるものだが、これほど無視されているとは思わなかった。

そのからくり時計の向かい側にあったもう一つの銀座のランドマーク、ソニービルがなくなって随分経つ。跡地は公園になっていて、日本一お高い公園だなと思っていたが、その公園も無くなって再開発されるようだ。目の前にある不二家のビルは、随分昔に刀鋸に出てきて初めて銀座に来た時に目印をした場所だ。ただ、その不二家も今ではすっかりおとなしい会社になっている。不二家のケーキを食べたのはどれくらい前のことだろう。

確かにソニーは既に家電メーカーというよりゲーム会社、映像会社なので銀座にフラッグシップを持つ必要もないことは理解するのだが、なんとなく寂しい気分になる。今では学区内に住んでいる生徒がほとんどいないらしい「泰明小学校」のように、なんとか名前を残すブランド戦略は取れなかったものだろうか。泰明小学校も制服の値段でメディアの餌食になったくらいだが、たまに学校の横を通りかかると微かに子供たちの声はする。小学校としては実態があるから幽霊ブランドではない。

そして、銀座のランドマーク最優等生とは、やはりこの和光ビルだと思うが、いつもは三越側から取るので今日は反対方向から撮ってみた。これはこれで妙に新しく感じる銀座の老舗の顔だななどと思いながら、夕方の人混み時にもかかわらず、まばらな通行人に今の銀座を感じた。日本の代表選手、銀座でこの程度の人混みということは、地方都市に行けば通行人すらまばらということなのだろう。メディアで流れる意図的に混雑している場所を意図的なアングルで撮るを信じては行けないなあと思った。