
新青森駅でホームから降りたすぐの場所に、青森三大?ねぶたが飾られている。ねぶた祭りといえば青森市で行われて大きな山車が街の中を引き回されるものと思っていたが、五所川原、弘前でもそれぞれ独自のねぶた祭りがあるようだ。
それぞれの土地でつくられるねぶたの意匠も異なっている。五所川原の「立佞武多」はテレビで見ただけだが、実に背が高い。ビルの4−5階の高さだったような記憶がある。リアルサイズガンダムだなと思った、上に伸びるねぶただ。屹立型とでもいうべきか。

青森のねぶたは、逆に横に広がるねぶたで、主役級二人(二柱)にお供が多数という横広がりなものだ。劇団ねぶたとでもいうべき登場人物多数、たまには獣や魔物も同行するという賑やかさだ。集団演舞型と言える。

弘前のねぷたは優雅だ。「ぶ」ではなく「ぷ」だと、弘前の学芸員の方に教えられた。その方曰く、「ぶ」は海の近くの荒い言葉、浜言葉で、「ぷ」は優雅な穏やかな響きだそうだ。うろ覚えの記憶だが、どうやら、津軽の中にも言葉の差というか分離があるようだ。弘前ねぷたは優雅な静置型という感じか。
ついでにマイタウンファーストでもあるらしい。札幌と函館の言葉の関係に似ているなと思った。北海道でも日本海沿岸部は津軽文化圏なので、浜言葉といっている言葉は津軽言葉に近いようだ。札幌は行政都市で人工都市だから、言葉は日本国中のミックスになっている。イントネーションの違いはあるが、いわゆる平均的な語彙というか言葉遣いが主流だ。当然、津軽弁対ミックス弁の主導権争いがある。北海道でも誰もがマイタウンファーストで主張する。特に、十勝モンロー主義とまで言われるくらい近地の独自志向は強い。まあ、裕福な土地の証拠だろう。
北海道文化のルーツのひとつである青森のねぶたが北海道に流入しなかったのはどうしてなのだろう、などと考えながら新幹線を待つ間、三種のねぶたをかわるがわる眺めていた。新青森駅は待ち時間も楽しい。