小売外食業の理論

お正月の福袋から経済動向を

今更ながらだが、自宅近くの神社に初めて初詣に行った。というか、福袋を買いに行く途中で行列を見つけたので、ついでにお参りしてきたというのが正解だ。地元の街では旧市街にある古い神社が初詣や七五三で賑わっている。多分、何百年かの歴史がある由緒正しき神社なのだ。
自宅近くの神社は雑木林が造営されて新興住宅地になったときに勧進されてきたものだから、比較的歴史が浅い。小ぶりな神社で普段は宮司もいないようだ。それでも周辺住民の支持は厚いようで、境内はいつも綺麗にされている。
その初詣のささやかな行列に並んでいて気がついた奉納絵馬が、なんと中学の美術部作品だった。これは新年早々良いものを見せてもらった。中学生が冬休み前に頑張って描いたのだろう。すごい力作だ。

今年の福福は、事前にネット予約して中身もわかるし、カードで事前決済するのが主流とニュースで言っていた。衣料品であればサイズ別の予約もできるというのだから、もはや福袋の中身は開けてからのお楽しみ的なびっくり要素は皆無になった。
コロナのせいか、ネット社会の進展か、原因は微妙なところだが便利と言えば便利だ。
そして、今年はようやく抽選に当たった「マクドナルド」の福袋を元旦に買いに行った。というか引き換えに行った。現金払いではなくネット決済にすると当選倍率2倍という特典付きで応募して、めでたく当選した。

お店に行きネット決済の番号を見せると、当選者のリストの中から名前を確認する。リストは4−5ページあったから1日100人以上は当選しているはずだ。引換日は指定されているので店頭での混乱も起きないようだ。(名簿確認に時間がかかったが) 福袋は3150円(税込)で、マクドナルド商品の引換券とおまけの品々という組み合わせだった。

商品引換券だけで販売価格とほぼ同じ金額になる。ということはオマケの分だけ得をするという仕組みだ。黒いものが保冷機能付いたリュックサック。赤いのがフライドポテト型ライト、黒いプラスチックカップと白いプラスチック収納袋がついてくる。製造原価で考えると1000円はかからないくらいのおまけだろう。
仮に原価600円とすると3000円の売り上げに対して2割の販促費をかけたことになる。ただし、クーポンの構成を見ると、原価の安いポテトとナゲットが、ほぼ1000円分入っている。原価と販促費のバランスがよく考えられた仕組みだろう。完全予約制で売れ残しなしであることを考え合わせると、よくできた福袋戦略だと思う。
一店あたり1日100個予約が取れたとすると、三ヶ日で300個販売する。定価3000円(税別)だから、福袋で90万円の売り上げになる。
そして、これはおまけとクーポン券の入った福袋を予約客に渡すだけなので、調理も不要だ。ネット決済であれば、会計すら不要になる。福袋販売は、究極の人件費カットが前提条件となっている。要するに楽して金儲けができる。
1店舗90万円かけるマクドナルド2942店(2021年12月時点)だから、ざっくり27億円を三が日で追加売り上げとする計算だ。おまけにその売上のためにハンバーガーを作る必要がない。クーポン券は後日、商品と引き換えになるので、その時は原価がかかるが、大多数の客はクーポンに合わせて追加注文をするだろうから、クーポン券はまさしく誘客効果を生み出す。
正月早々に他人様の商売で、こんな皮算用をしていた。需要の先食いと言われていた飲食店の福袋だが、ここまで来ると巨大マーケティング戦術に仕上がっている。
おそらく今年は夏の福袋とか秋のハッピー祭りとか、新年福袋と類似の仕掛けが始まりそうな気がする。
今年は、マクドナルドが空前の売り上げ低下からV字回復が始まって4年目になる。コロナを追い風にして伸長した売り上げを、さらにどう伸ばしていくのか。今年も目が離せない巨大ブランドの動向だ。
夢を見る福袋から、随分と世知辛い現実を思い起こした元旦でありました。

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