街を歩く

高田馬場 看板さがしの散歩

会社勤めをしていたときには、ほぼ毎日通り過ぎていた高田馬場駅周辺が、この一年でずいぶんかわってきたようだ。コロナがきっかけになったとは思えないが、駅前の古いビルがどんどん建て替えられていく。長年見慣れた光景が変わっていくのは、妙な気分がする。高田馬場駅前といえば、昔は早慶戦の後に酔っ払った早稲田の学生が大騒ぎしていた。その大騒ぎが度を越したのか、駅前にあった噴水がなくなり広場になった。今ではその広場も囲いがされて、なんとなくオブジェっぽい訳のわからない空間になってしまったが・・・。その駅前広場に面したビルがBIGBOXで、昔は赤いビルだったが今は青いビルになっている。いつの間にかテナントもすっかり入れ替わってしまった。

その隣、駅の正面にあるビルもずいぶんお世話になった。大規模書店が入っていたので、帰り道によく立ち寄って本を買っていた。高田馬場は学生街という印象があるが、意外と本屋が少ない。学生が本を読まなくなったとも言えるし、本がいらない時代になったせいだとも思う。どちらにしても愛用していた書店の看板がビルから消えたのは悲しいものだ。(書店はまだ現在なのだが、看板だけがなくなったらしい)

駅前広場の北側にある飲食店雑居ビルが改装中で、おそらく耐震工事も合わせたお化粧直しだろう。このビルのテナントは、どの店も怪しい雰囲気があるので、宝探しのように店を物色して入ったものだ。一階は昔ながらの個人経営飲食店とセブンイレブン、二階にはマクドナルドがある。上層階に、くら寿司が最近開店した。この先は怪しげで楽しそうなテナントが、ナショナルブランドに置き換わっていくのかもしれない。

日本産唐揚げブランドと台湾唐揚げブランドが、上下の看板で張り合っている姿はなかなか興味深い。高田馬場には台湾出身者が多いのか?などと思うのだが。最近は全く聞くことがなかった中国語の会話が、このあたりを歩いているとあちこちから聞こえてきた。観光客か留学生か、それとも企業実習生が戻ってきたのか。あるいはここしばらくは路上で中国語を話すのを避けていたのか。新宿や池袋ではまだまだ中国語が聞こえてこない。高田馬場の不思議現象だ。

これもちょっと不思議な看板だった。店頭に入店待ちの行列も出来ていたから人気店なのだろう。スンドゥブは韓国料理だろうと思うが、漢字で書くと「純豆腐中山豆腐店」となるのだから、豆腐を売る豆腐屋みたいな意味合いになる。不思議な店名だ。おまけに、武田菱と思しき「家紋」がついている。中山さんがやっている豆腐屋なのか、中山という地名が発祥の地である豆腐屋なのか。かなり、怪しい感じがするので、これは是非一度入ってみなければと思う。ただし、ちょっと店内を覗いてみたら女性比率が高すぎる。昼のピークを避けて、オヤジは入っても目立たない時間を選ばなければいけない。美味いものを食べるのも大変なのだ。

もう一軒すごい看板を見つけた。コンビニより安い生中!と書いてある。色々と突っ込みたい表現だ。ただ、そこは素直に宣伝文句を信じてあげようか。おそらく、生ビールではない生中を頼み、一本50円の伝串(これもどんな食べ物なのか)を頼み、250円払って出てこよう。とてもお安い高田馬場のダンジョン探検だ。
やはり高田馬場はこういう怪しい、楽しい、びっくりな店がなければ、「らしくない」街だ。久しぶりに高田馬場で一杯やりにいこう。二軒目はマイ定番の串鐡にしようかな。

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