街を歩く, 食べ物レポート

神田 まつや・・・粋に和む

所用で神田に行った。この街はたまに行きたくなる。老舗の食べ物屋が並んでいるせいもある。神保町から散歩がてらぶらぶらと歩いてこの街にくるのがちょうど良い距離だということもある。神田は東京駅近くのオフィス街だが、下町の風景が点在している。大阪で言えば天満や福島もこんな感じかもしれない。

さて、神田といえば、直感的に思いだすのは蕎麦屋だ。それも江戸時代から続く不良のたむろする怪しい店としての蕎麦屋で、食事処ではない方の蕎麦屋だ。神田で言えば薮とまつやが代表格だと思うが、松屋は表通りに面しているせいかオフィス街の飯屋的な見え方もする。ランチの時は特にそうだ。ただ、ランチが終わった2時くらいから、どこからともなく怪しいオヤジとオバサンが集まってくる。一人か二人でひっそりと酒を飲んでいるのが共通点だ。逆にいうと若い方は普通にそばを食事として食べてさっさと帰っていく。

コロナですっかり昼酒対応が当たり前になったが、ちょっと前までは昼酒は相当難度が高い飲み方だった。居酒屋でも定食を肴に酒を飲むという光景はほぼほぼなしだったはずだ。それが、夜の営業を止められて昼にはみ出してきた昼酒飲みは、店側と客側の阿吽の呼吸という感じで広まっていった。ただ、そのコロナ前の平和な時期でも、例外だったのが蕎麦屋と鮨屋だろう。特に、蕎麦屋は混雑時を避けて昼下がり的な時間であれば、それなりに平気で酒を飲めた。軽くつまみを注文して、その後ささっとざる蕎麦ひとつみたいな感じで帰っていく。お江戸の不良の飲み方だろう。

だから、ビールを頼むのはちょっと野暮かななどと思う。まあ、気分の問題なのだけれど、蕎麦屋で飲む酒はぬる燗の日本酒と決めている。夜であれば、ビールでスタートというのもありかなとは思うが、昼酒はぬる燗一択だ。夜飲みの時はぐい呑みが良い。大振りの器でグビグビ飲みたい。だが、昼酒の時は猪口に限る。小ぶりな猪口に半分くらい酒を注ぎ、ちびりちびり飲むのが昼の蕎麦酒のやり方だと思っている。店内では、たまに他の客の会話が聞こえてくるが、基本的には静かなものだ。昼酒で酔っ払って大声で喚き散らすのは格好が悪いと思う。まあ、そんなダメオヤジも多いことは確かだけれど。蕎麦屋の昼酒は、一人で静かに、スタイリッシュに飲んで欲しいものだ。

さすがの老舗だけあって、席を仕切る板もアクリル板という無粋なものではなかった。店内と調和しているので、まるで昔からこういう仕切り板があるような気がしてくる。記憶に定かではないが、昔はメニューが紙の閉じた帳面のようなものだった気がするが、今はスタンド式になっている。これも非接触対応の一つなのだろうか。まあ、孤食で默食は危険度が低いそうだから、蕎麦屋の昼飲みがもう少しオヤジとジジイの間に広がるかもしれない。ただ、ジジイの大半は命惜しさの臆病者が多いはずだから、あまり家から出てこないかもしれない。コロナが終わっても飲食店の苦闘は続くのだろう。だから昼飲みでお応援だ。

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