旅をする

つなぐ横丁の猥雑な感じ

つなぐ横丁の中は小ぶりな店がぎっしりと詰め込まれた、昭和レトロ的空間で、昭和時代の居酒屋を知っている人間からすると、「あーこれこれ、こんな店、よくあったよね」という感想になる。

業種がなんでもありなので、台湾の夜市的なバラバラさというかカオスな感じもするのが楽しい。丸い椅子とパイプ足のテーブルなどもはや死物だと思っていたが。

メニュー板を見るだけでも楽しいが、出てくる酒もなんでもあり。ワインにカクテル、泡盛に日本酒、まさにカオスだ。そう言えば一時期大ヒットだった肉寿司も最近は見かけなくなったと思っていたが、この店ではしっかり現役だ。

平成生まれにとってはこの猥雑感が新鮮なのだろう。昭和生まれにとっては、時代に奪って変わられ消滅していった業態が、ゾンビのように復活した感じもする。アサヒ生ビールは、当時キリンのラガーに対抗するべくキラーコンテンツとして投入され人気があったビールだ。今では生ボールが当たり前で、スーパードライがアサヒの代名詞なのとは、隔世の感がある。最近、アサヒの生ビール缶が発売即売り切れになったとニュースで見た。アサヒ生を懐かしむ世代が買い占めたのか、それともレトロ感に引かれた若者に人気が出たのか。その辺の動向を知りたい気がする。

焼き鳥屋のつくねには2大流派があり、この写真のようにバー状のものをつくねと呼ぶ流派と、丸い団子が3個刺さっている「串団子」ならぬ肉団子を捏と呼ぶ派が業界を分けている。焼き鳥屋でこのつくねの形状の話をすると、どちらの流派でもうちが本物と説教された経験があるので、これは業界のタブーであると思っている。
個人的には団子派なのだが、業界主流はこのバー式つくねのようだ。火通りというか焼き方を考えると、このバー状の方が合理的な形であるように思うが。バー状つくねには卵の黄身を合わせて食べることも多い。団子型つくねの場合、卵の黄身はついてこないようだ。

横丁内の店を見て歩いて発見した「商標登録 ゴールデン酒場」の看板にひきつけられた。一般名詞「ゴールデン」+「酒場」で商標登録できるのかというビジネス的な疑問だった。まあ、語感としてはそそられる。ゴールデンと言いながら、チープシックな感じというか、あまり高級感が感じられないのが良い。
「ゴールデン酒場ねえ、ふふふ」となんだかウキウキしてくるのが不思議だ。新宿とか渋谷に昔あったよねえ、という感じがするし、池袋なら今でもありそうだ。やはり「ゴールデン」という言葉は昭和オヤジの反応率が高いのだな。

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