旅をする

縄手と松本城

松本城の近くを流れる小さな川がある。先日、某国営放送の旅バラエティー番組で松本城の成り立ちをあれこれと解説していた。この川がお城防衛の主要装置であったということを初めて知った。その川沿いに色々なお店が立ち並ぶ一角がある。土産物屋のような店、軽食の店、陶器屋、骨董品、ベーカリーなど雑多な店が立ちならぶ。ぶらぶら歩きにはなかなかたまらない場所だ。お目当てにしていたベーカリーはなんと休業日で当てが外れたが、陶器屋で安い蕎麦猪口を二つほど手に入れ、ほぼ満足した。

四柱神社 大物神揃いだ

その縄手筋の端っこにあるのが大きな神社で、建立が明治12年となると戊辰戦争後の明治新政府の政策神社だと思われる。そもそもつい目の先が諏訪大社の近くという場所で、日本神話の大物神々が4柱も祀られる時点で、神様の政治利用が見え見えだ。そもそも松本は徳川譜代大名の支配地が長く、目的も西国から反乱軍が中山道経由で江戸を攻める時の防衛拠点だから、明治政府にとっては邪魔な場所の代表格だったはずだ。

お城の入り口に続く堀を渡る橋

松本市内を地形図で見ると、確かに松本城は山と川で囲まれた優秀な防衛拠点で、お城の周りに大手町という街の中心が出来上がっている。松本駅とお城はちょっと離れた場所になる。旧市街地から離れたところに鉄道駅があるというのも、明治以降開発が進んだ地方中核都市の典型だ。だから、お城の周りには市役所とか銀行とか商工会議所みたいな政経の中核機関が立ち並ぶ。それに小判鮫のように飲み屋街ができる。そこに意図的に政治目的みえみえの神社が建立される。嫌味な世界だ。

今は国宝松本城を取り巻く公園として整備されているが、この遊歩道あたりは城攻めの決戦地なのだよななどと思いつつ、お堀を渡り天守閣方向に歩いていく。視覚的には良くできた公園だと思うが、観光客がほとんどいない。散歩をする市民の姿も少ない感じがする。ご時世だなあ。

お堀の向こうに見える天守閣は、もう少し青空が目立っていれば、「ぬけ」の良い光景、写真になるのになあなどと思いつつ、アングルを変えて何枚か撮った。松本城には何度も通っているが、やはりこの角度から取るお城が一番フォトジェニックな気がする。特に、空気の透明度が高い初冬が良いとは思うが、空気感でいえば春先も捨てがたい。これはスマホで撮った写真だが、実は保存用写真を撮るために一眼レフカメラも持ち込んでいた。趣向を変えながら大量に撮影した。お城の向こうには北アルプスの山々が広がる、松本らしい風景なのだよ。

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