スシローで感じたあれこれの疑問を、はま寿司で確認してみようと平日の昼にノコノコ出かけたみた。テーブル席に空きはあったが、なぜかカウンター席は満席だった。十人くらいが並んで黙食。考えてみれば、元々回転寿司や立ち食いそばの店で大声で話す客はいないだろうから、これが当たり前なのだが・・・。

キャンペーン商品は、蒸し牡蠣一貫 100円という高価格帯で、牡蠣自体は大振りだと思うが、ちょっと花がないなあ、などと思いつつパクりと一口で食べた。牡蠣は好物だが、蒸し牡蠣だとちょっと違う食べ物だ。寿司ネタ向きかと言われるとちょっと違う気もする。価格も含めて微妙だなあ。

最高級品は、黒アワビで300円近い。確かにアワビの味がするが、カット形状が微妙で、なんとなくアワビっぽくない。たちの鮨屋では必ず頼む個人的絶対定番だけに、本物志向は嬉しいが、なんともルックスがねえ、という感じ。おまけに一皿で一貫となると皿の隙間が目立ちすぎ、余計やるせないかなあ。一皿2貫換算だと、500円皿ということで、これは来るとこまで来たかもしれない。次は一皿480円になるとすれば千円皿の出現だ。もはや100円均一の回転寿司は消滅するのかもしれない。

タコは、メニュー上でしっかり「まだこ」と「水だこ」が別物で注文できるようになっていた。注文したのは「まだこ」だが、確かに100円皿の定番という風情がする。スシローで感じていたシャリダマ軽量化疑惑(笑)だが、はま寿司では注文時に「米 半分」が選べるようになっているので、やはり疑惑ではなく真面目に米削減が行われていた。確かに、米が少なくなればたくさん種類を楽しめると思う人も多いのだろう。「半分」を選べば、一皿で1貫分の米量になる。寿司10貫分、5種類ではなく10種類楽しめることになる。客と店のウィンウィン関係(笑)が成立する。はま寿司で米矮小疑惑は解消されました。

イカもマイカ、スルメイカ、など品種が選べるシステムだった。そして、マジマジとメニューボードを見て確認したのが、イカのわさびトッピング。これには苦笑するしかない。確かに、回転寿司はずいぶん前から、わさび抜きが定番で、回転レーンを回っている寿司にわさびは入っていなくなった。若い世代でワサビが苦手という方が増えたせいだそうだ。わさび入り、わさびなしでの商品提供はロスが多いことから、基本的に「わさび抜き」スタイルの統一された形だ。回転レーンには追加用のわさび個パックが回っている。ワサビが欲しい方はお好みでどうぞと、わさびは取り放題サービスなのに、あえてわさびをトッピングにするのだ。ワサビが特別仕様ということらしい。
ただし、このワサビトッピングを試してみると、実にはおいしいと思ったので、できればイカ以外にもわさびトッピングを増やしてもらいたい。大人向けの渋いトッピングバリエーションは重要だ。

このご時世なので、酒飲料の画面を覗いてみたら、全品終了マーク。ノンアルコールのハイボールテイスト、ノンアルコールビールは販売中。まあ、当たり前の対応なのだが、それでも違和感を感じることも確かだ。
やはりというか、当然というか、販売戦略、価格戦略に関して、「スシロー」と「はま寿司」は、ほぼミラーツイン状態だった。はま寿司の方が、ストレートに高価格皿を売っている感じがするが、これはスシローの展開エリアとはま寿司の展開エリアの差によるものかもしれない。
スシローとくら寿司から比べて出店が後発だったはま寿司は、陣取り合戦で残っていた地方中小都市部に出店の軸足を置いていた。二強である「スシロー」「くら寿司」との直接対決を避けた結果とも言える。だから、大都市周辺部では比較的店舗が少ない。当然、直接競合の殴り合いが少なければ、高価格帯への移行も楽になる。
アフターコロナで主戦場となる「都心部テイクアウト」専門店みたいな話は、もう少し後の対策になるのだろう。ちなみに、今年はくら寿司が最後の未到の地、札幌に出店したのだが、どういう結果になるだろうか、楽しみだ。