この8月の事態は記録に残しておこうと思い、お盆明けの駅前商店街に行ってきた。

老舗居酒屋が休業。「当面の間」と書いてあるのが、政府を含めた行政への不信であることは間違い無いと思う。期間は予想通り延長されたから、「官」の愚かさ加減は「庶民」に見抜かれていたということで。

全国チェーン店は書き方が優しい。「県の要請で」とあるが、確かに緊急事態宣言や重点措置が出ていない地域もあるから、チェーンとしてはこういう書き方になるのだろうか。今頃は期間を書き換えて、張り替えているのだろうか。

焼き鳥屋チェーンでは、もっと優しい。まるで自分たちのせいでお休みするような書き方で、「官」の要請でとは書いていない。これも日付を書き変え張り替えているだろうか。ただ、休業開始日付がちょっと微妙だったけれど。

同じ全国チェーンでも、文言がきつい。これはちょっと店長の怒りが感じられる気がする。「宣言終了日まで」、つまり最初から宣言された期日で終了するとは思っていないのだろう。「官」には不信しかない、と言外の怒りを読み取れる。(気がする) その怒りは正しいと思うぞ。

こちらも全国チェーンだが、24時間営業という業態のせいか、ずいぶん休業期間が長い。店主のお言葉は客に対して丁寧な語り掛けだが、「緊急事態宣言発出」という言い方は、やはり無念さが滲むなあ。役人用語の「発出」を使うあたりが、ちょっと高等テクニックな批判かもしれない。隣に書いてある「埼玉県の要請により」は、いわゆる埼玉公式フォーマットなのか。

ちょい飲みが主力業態である中華料理店チェーン、酒類の提供について」と事務的な表記でサラッと流している。こういう酒と料理というハイブリッドな店(居酒屋的な食堂)は、ダメージ深刻でも休業もできないから、余計やりきれないだろう。


全国チェーン店は、「官」の要請に従っているが、個人営業のお店ではかなりストレートな「自粛を自粛」しているお店もあり、確かに自粛は強制でも命令でもないという法的な立て付けだから、魔女狩りみたいなこともできない。現在進行形で都に対して訴訟を起こしている企業もあるし、できれば行政としてこの辺りは触れたくない話題なのだろう。どちらにしても9月中旬で宣言明けになるとは思えない状況で、いつになったら営業できるよという店主の皆さんの怒りは、間違いなく次の選挙にあらわれるだろうなあ。