
地元の駅前繁華街から日高屋が消えたのは去年だった。コロナでバタバタしている時期で、ビルの建て替えのため駅からちょっと離れたところに引っ越してしまった。さほどの距離でもないのだが、繁華街の外にあるマンションの一階という場所で、わざわざ行かなければならない不便さがネックとなって、すっかり足が遠のいていた。ところが、その繁華街にカムバックしてきた。おまけに隣の店は餃子の王将という、まるで決戦を挑むような立地で、埼玉中華の二大巨星「日高屋」の意地を見せつけてくれた。店内はカウンター席が多い。おひとりさま対応のコロナ対策店舗で、好感度はモテる。ただ、一人のカウンター席の中に調味料全品がセットされているので、卓上がちょっと窮屈ではある。一度に大量に注文せずに順番に頼めということなのだろう。タッチパネルで注文なので、いくら追加しても従業員を呼び出すことはない。お互いに遠慮しない関係は嬉しい。

そして、日高屋で初めての酢豚が登場。おそらく調理に手間のかかる料理だから、これまでは避けられていたらしい。町中華の絶対定番「酢豚」が導入されたのも、コロナによる売り上げ低減の対策だろう。日高屋のメニューの中では、頭一つ飛び抜けた高額商品(といっても600円程度なので・・・文句はないです)で、期待の新星というところか。おまけに、最近のメニューではピカイチだと思うバジル餃子3個を追加した。最近の日高屋はメニュー開発に元気がある。バジル餃子は酢醤油ではなく、レモン汁で食べるというのが良い。
酢豚は、特にこだわったところもなく普及品の体だが、日高屋はこれで良いのだと納得する。日高屋の商品は尖っていてはいけないのだ。普通にうまいが一番だ。酢豚にパイナップルやきゅうりや桃やキクラゲを入れるのは、高級中華店に任せておけば良い。ただ、個人的には、もう少したまねぎ増量してほしいが・・・。