
7月の札幌は北国の短い夏を楽しめる大切な時期だった。だったと過去形なのは、ここ10年くらい7月8月は高温期となり、下手をすると東京より気温が高いという酷暑が続くことが多い。札幌に避暑に来たつもりが東京より暑かった経験があまりにも多すぎる。それでも、湿気の少ないカラッとした気候でもあるので、やはり札幌にいくのは7月前半がおすすめだ。

札幌の観光名所、大通公園では夏の間だけ、とうきび屋台が出現する。焼きトウキビと茹でトウキビが楽しめる。トウキビはとうもろこしの北海道表記だ。商品名にトウキビと書いてあれば、北海道生産品である可能性が高い。おすすめは焼きとうもろこしだ。茹でトウキビは自分の家でも簡単にできる。焼きトウキビを公園のベンチに座って一本平らげ、その後は市役所のロビーに行く。
ロビーのはじにある喫茶コーナーで出てくるコーヒーが、いかにも喫茶店らしいストロングな味で、これも札幌での楽しみだ。最近のカフェで出てくるなんとかラテが苦手なせいもあり、コーヒーも味が選べる時は、いつも苦くて濃い味にしている。

市役所で一息入れたら、そこから地下街に潜り込み、軽く散歩をする。東西に伸びるオーロラタウンと、南北に伸びるポールタウンのつながるあたりに、障害者の作った様々な雑貨や食品を売っている店がある。そこをのぞくのも楽しみにしている。ここではブックカバーとか便箋などをよく購入する。あとは焼き立てパンも好みなのでたまに買い込む。今回は、店の中で「札幌黄」という札幌特産のタマネギの販売ポスターを見つけた。札幌黄は甘みが強く、一時期は北海道タマネギの代表的存在だったが、新品種に置き換わりほぼ絶滅していた。それを最近復活させた農家の方達がいる。これも新しい農業の試みだと思うが、一口応援してみようか・・・。札幌鬼はカレーによく合うのだ。

大通公園下の地下街から、札幌駅を繋ぐ地下歩行空間(何とも愛想のない名前だが)で札幌駅を目指す。晴れた日には地上を歩くが、雨が降ったり、雪が降ったりすれば地下道が便利だ。今回は、外があまりに暑いので地下に潜ってしまった。
札幌駅に直結する地下商店街には飲食店が立ち並ぶ一角があり、そこのカフェでたまにコーヒーを飲む。ここはコーヒーの味で選ぶのではなく、一休みするのにとても便利な場所だからだ。自分の中で、喫茶店とカフェの使い分けははっきりとしている。喫茶店は好きなコーヒーを飲むためにわざわざいく場所、カフェは一休みするための空間。その便利な場所のカフェで売っているのが、ロイヤルの冷凍食品で、なるほどなあと感心した。
このカフェはロイヤルの系列店だったのかという発見と、カフェで個食の冷凍食品販売は相性が良いなあという感心だった。手指の消毒をする時に必ず目に入る場所に、商品ポスターがあるというのも商売が上手い。
街歩きをするといろいろな発見があるものだ。