西武新宿線本川越駅近くに「ニュータンタンメン」の店が開いていることに気がついたのは去年の年末だった。久しぶりに食べに行こうと思っているうちに、緊急事態宣言やら蔓延防止・・・やらで行動制限時期になり、ようやく先週になって川越に行った時に昼飯を兼ねて川崎名物?を食べることができた。

川崎のスーパーローカルチェーンである、ニュータンタンメンを初めて食べたのは6−7年前だと思う。人伝に聞いた噂を頼りにわざわざ川崎の街の外れにある「本店」まで行ってきた。担々麺ではなくカタカナで、それもニューがつくタンタンメンだ。いったいどこが違うのか興味津々で川崎まで行ったのを覚えている。初心者向けに見た目と味はポスターで説明されていた。簡単に言えば、辛いスープにニンニク挽肉卵炒めが載っている、という感じだ。

それと変わっているのが、焼き肉が同時に提供されている。どちらかというと、焼肉を食べた後に、締めでこのニュータンタンメンを食べるというのが正統派らしい。普通の焼肉屋で冷麺で締めるようなものだ。だから、卓上に焼肉ロースターが置いてあった。今回は、焼肉はパスで、辛さレベル中辛を選んだ。

現物が目の前に出てきて、あー、これこれと昔食べた時の記憶が戻ってきた。ポスターの写真よりも明らかに赤が強い。ぱっと見でトマトソースっぽく見えるが、匂いはガツンとくるニンニク臭だし、なんとなし目がしょぼしょぼする強烈な何かが立ち上ってくる。ただし、食べてみるとそれほど辛くない。卵の甘味で辛さが抑えられている感じがする。逆にスープの塩味が感じにくい。卵とニンニクに打ち消されてしまっている。食べ進むうちにじわっと舌が辛味に麻痺し始めるので、余計に味がわかりにくくなっている。顔にうっすらと汗が出てきたので、確かに辛味・カプサイシン効果が出ているのだが、ヒーハーいうほど辛さを感じないのが不思議だ。

川崎の名物店舗が、なぜ埼玉県川越に出店したのはよくわからない。浦和大宮をすっ飛ばして川越というのは実に不思議な気がする。きっと川崎で修行していた職人さんの実家が川越なんだろう。個人的には、この辛いラーメンは、あの有名な赤いタンメンより好みなので、ぜひ埼玉県で複数展開してもらいたいと思う。次回は、ビールと焼肉の締めで食したいものだが、どうやら8月お盆の終わるまで、また禁酒令になるらしい。この国の政治屋たちの頭の悪さは辟易するしかないが、次にこの店にくるのは、ビールが解禁になる夏が終わったあたりになるのだろうな。