2017年の記憶 #29 昔に撮ったiPhone写真から引っ張り出してきたあれこれ

初めて讃岐うどんを食べたのは、まだ瀬戸大橋がかかる前でフェリーで高松に渡る頃だった。確か1時間ほどかかったような記憶がある。高松でフェリーから降りたところに立ち食いうどん屋があり、出汁の匂いが強烈だったのを覚えている。うどん県の洗礼を到着と同時に受けたということだ。翌日は仕事の合間にうどんを食べようということになり、連れて行かれたのが屋島の近くにある古民家風の店だった。ここでも店外まで出汁の匂いがあふれていた。

同行した知人が注文したのはタライうどんで、大きな木桶というよりタライに並々とうどんが入っていた。初めて食べた讃岐うどんはいわゆる釜揚げうどんだったことになる。うまそうという思いと、うどんだけでこんなに食べられるものかという疑問が湧き出したが、なんの心配もいらなかった。人数分に1−2人前追加したうどんを4人でしっかり平らげた。知人によれば、この店はちょっと高級店なのだという。値段を聞いて、讃岐うどんの高級店とはこんなに安価なのかとびっくりした。その後、郊外にあるうどん屋などに連れて行ってもらった時に、ようやくその「値段の高さ」が理解できた。郊外店のうどんが安すぎるせいなのだが、高級店のうどん一人前は東京の普通のうどんよりも安かった。

うどんのつゆは熱々のまま、おおきな徳利に入って出される。徳利が熱くて持てないほどだった。つゆは使い放題らしい。ネギや生姜の薬味も取り放題。普通であれば天ぷらやら何やらをサイドアイテムとして頼むところだが、この店ではうどんのみで問題ない。忘れてはいけないのがうどんを人数分より多めに注文することだ。人数分しか頼まないと物足りなくて、あとから注文することになるのは間違い無いから、多めに頼むのが定石だ。
結局、この店は高松に行くと必ず立ち寄る絶対定番の店になり、それ以外のうどん店の開拓にいささか邪魔なのだが(昼飯にうどんを二軒はしごする羽目になる)、それでも一年に一度は行きたいなと思う。支店を東京に出してくれないものだろうか。