2017年の記憶 #6 昔に撮ったiPhone写真から引っ張り出してきたあれこれ

高野山といえば、思い出すのは「孔雀王」だ。高野山で修行したモンスターハンターが妖怪と戦うというコミックで、式神使いのサブキャラが結構渋い。呪を唱え印を結ぶ、和風ヒロイックファンタジーの走りだったと思う。だから、高野山は自分のイメージの中で妖怪と戦う密教戦士の総本部みたいなものだった。そしてとてつもない秘境で平民がいくには果てしなく遠い「秘境」と思い込んでいた。近しいイメージで言えば、長野県戸隠とか鬼無里といった山奥の地のもっと山奥盤というところだ。

それでなんとなく遠すぎていけないと思い込んでいたのだが、ちょっとネットで調べてみたら、小学生が遠足で行けそうなくらいの場所らしい。拍子抜けしてしまった。そこで、関西神社巡りの中に1日日程を追加して、南海電車で高野山の麓までちょいちょいとついてしまった。そこから高野山の上まではケーブルカーで、これまたちょいちょいと・・・。ケーブルかはなかなかのイベント感のある乗り物だった。頂上駅では駅員さんが案内してくれて、町の中央というか寺院複合体の中心部、つまり本山まで行くバスに乗り込んだ。事前の下調べが足りずに、どこにいけばわからなかったボンクラ旅行者に駅員さんが丁寧に説明してくれ。親切な町だ、という印象が強い。

金剛峯寺前に立ち、ささやかに感動した。おお、これが妖怪ハンター養成所か。などと不謹慎なことを考えながらお参りする。思っていたよりもこじんまりした感じがするが、京都にある巨大宗派の本山と比べるのがおかしいのだろう。こちらは密教修行のための本山で、京都にあるのは政治的示威が必要な教団本部だから違いがあって当然だろう。関東、西国、四国の札巡りが終わるとお礼にここにくるそうだ。その後、バスを乗り継ぎあちこち回って高野山をすっかり堪能したのだが、昼時を過ぎてそろそろご飯を食べようと思ったら、どの食堂も満員で空席待ち。平日であっても高野山は大量の参詣者が押し寄せてくるらしく(季節が初夏ということもあり)、完全に昼食難民となった。あまりの空腹に耐え金、コンビニで買ったアメリカンドッグをベンチで食べることになった。(弁当やおにぎりもほぼ売り切れ状態だった)
やはり罰当たりなことばかりを考えていた報いだろう。次回はもっと崇敬の念を持って再訪したい。そして、忘れずに食事の予約もしておこう。