2017年の記憶 #3 昔に撮ったiPhone写真から引っ張り出してきたあれこれ

2017年といえばインバウンドなる業界用語が一般的な言葉として使われ始めた時期だったような記憶がある。町中に跋扈する(としか言いようがない)外国人観光客に、あれこれと言いたいことがあるんだがなあ、などと思っていた。(今は見る影もないが)
浅草寺界隈は、日本人観光客と外国人観光客がミックスされて一種異様なくらいのインターナショナル空間になっていた。お気に入りの洋食屋にできた行列の長さに辟易したものだ。その行列から溢れ出たように、浅草寺の北側も観光客に占拠された感じがしたものだが・・・。このあたりは老舗の和菓子屋や、古風な貫禄のある洋食屋、喫茶店なども多い。そのどこにも行列ができるという賑やかな時代だった。しかし、お茶屋の前に行列ができるとは想像できない。行列に並ぶお客のお目当てはお茶ではなく、お茶を使った甘いもの、アイスクリームだった、

お茶フレーバーのアイスクリームを作るとき、それなりの緑色に仕立てようとすれば、びっくりするほどの抹茶を使うことになる。また、緑茶の緑色はあっという間に退色するので、作り置きをすることが難しい。抹茶アイスが高級で高価なものになる理由だ。スーパーなどで売っている量産品のお茶アイスクリームは当然ながらお茶の含有量は少なく、何らかの対応をすることになる。
このお茶専門店のアイスは、その緑茶関連の問題点を豪速球でねじ伏せた商品を販売し人気があった。写真で見る緑色のアイスクリームは確か「お茶10倍」というものだった。肉眼で見るともっと深い緑に見えていた。味は、お茶の苦味をガツンと感じるほどの強さだった。何やら、「大人限定フレーバー」だなと思った記憶がある。価格も普通品の倍以上したハズだ。お茶屋のプライドを爆発的に発揮しました、という感じだった。
写真をひっくり返して見ていると色々なことが思い出すものだが、このアイスクリームの写真は「思い出す」より「また食べに行きたい」だった。東京に来るなと言われているのでいささか抵抗はあるが、少し落ち着いてきたら浅草寺にお参りに行って、蕎麦を食べて、帰り際にに七味唐辛子と芋羊羹を仕入れて、お茶アイス食べて帰ろうかなどと思う今日この頃。そうそう、地下鉄に乗る前に老舗バーで電気ブランをクイっと。