食べ物レポート

KFCのおもてなし ネタバレ

昔々、某フライドチキン屋で働きはじめた頃、英語の意味がよくわからず使っていた「スリフト」というメニューがあった。オリジナルチキン9ピースで1350円(消費税 なし)だった。英語のThriftとは、倹約とか節約という意味で、そこからお買い得品という使い方になっている。この1350円(当時)の持つ意味だが、大学生の時給が350円の時代だったから、だいたい4時間分の労働価値にあたる。現在の時給1000円で考えるとオリジナルチキン9ピースが約4000円ということになる。(ちなみに当時の時給350円の値打ちとはラーメン一杯とほぼ同じで、昼飯代はだいたい400円程度だった) スリフトと言いながら、なかなかの良いお値段だったのだ。
だから、この母の日バーレルは、当時と比べても時価で言えば半額程度というお買い得な超Thriftになるのだが。

ちなみにこの1350円(税なし)という価格は北海道ローカル限定であり、北海道以外の全国では1490円だったはずだ。北海道だけが貧乏人価格で販売していたと知った時、妙に寂しい気持ちになったのを覚えている。この北海道価格が消えたのは1980年代中盤で、それまでは北海道を植民地扱いされているようなモヤモヤした気持ちがあったものだ。しかし、それも東京に出てきて時給が100円近く違う事に気づき、この価格差は仕方ないなとようやく理解した。

母の日のミニバーレルだと思うのだがなあ

オリジナルチキンは鳥一羽を9ピースに分割している。手羽、胸肉、もも肉、足がそれぞれ2ピースで、ささみが1個の9ピースだ。足の部分を、手羽元のチューリップの部分と間違える人が多いのだが、その部分、パーツの名前をKFCではドラムという。また、もも肉の部分はサイという。最近ではスーパーの食肉コーナーでもサイとかドラムとか書かれることが多い。KFCが日本で展開を始めてから50年も経つので、アルバイトであれ社員であれ、KFC体験者は100万人近くいるはずで、日本の人口を考えればKFC用語がスーパーで定着してもおかしくはない。


バーレルというのは、21ピースを入れた大型メニューだったが、クリスマス向けパーティーバーレルではチキン10個とサラダとデザートにお皿付き、みたいな変形の売り方もした。(している)
さすがに21個入りで売るのは、チキンが多すぎて(高すぎて)難しいという事で、春とか夏とかに季節限定メニューでミニバーレル、チキン10個入りを売っていた。お盆の時にはとか、年末年始にはとか、慶事需要専用商品だったこともある。それがいつの間にか、ミニの言葉も消えバーレルは9個入りになってしまったようだ。日本が豊かになったののか、貧乏になったのか定かではないが、おめでたい席でオリジナルチキンをたっぷり食べるという習慣は消えつつあるらしい。バケツに入ったフライドチキンでおもてなし、というのは洒落た習慣だったと思うが、そのバケツがおもてなしの気持ちと一緒に小さくなった。昭和のバケツの大きさと令和のバケツの小ささの違いは、結構心に染みるものだ。

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