
山形県中部で、麺類業界の支配的地位を占めるのが「肉そば」とか「鳥そば」とか言われる、日本そばの派生種だと思う。山形県北部にある「板そば」の名店群で、例の噛みごたえのある日本蕎麦を食べていると、そばというのもずいぶんバリエーションがあるものだなと感じる。山形では、蕎麦はツルツルだけではない。モグモグ食べるのも正しい蕎麦なのだろう。そのモグモグ系の硬いそばの亜種が「冷たい鳥そば」だと思うのだが・・・。
スープは鳥だしで、蕎麦の上に親鳥の肉が乗せられている。スープは鳥だしとは言え濃厚なので、もぐもぐ系の麺とよくあっている。あっさり系のスープだと、蕎麦の強さに負けるだろう。この山形蕎麦の代わりに中華麺を使った「鳥・中華そば」もあり、店内では鳥蕎麦と鳥中華の注文は半々くらいのようだった。

自分の麺料理ランキングで言えば、この山形の鳥そばは暫定二位くらいか。これに匹敵するのが、盛岡食道園の冷麺で麺グループランキング(個人的なものです)は東北勢優勢だ。暫定三位は東京のラー油蕎麦、それと競うのが名古屋の鉄板ナポリタン。
現時点での一位は札幌吉山商店の焙煎胡麻味噌ラーメン。これはちょっと譲れない。四位以下ではあるが、長崎四海樓のちゃんぽん、高知県須崎の鍋焼きラーメン、高松わらやのたらいうどんといった西日本勢がブイブイいっている。ちょっと変化球としては、名古屋味仙の台湾ラーメン。これは五位としても良い個性の強いストロング派。
首都圏、近畿圏は残念ながらラー油蕎麦以外はエントリーなし。抑えてとして追加するとすれば、釧路玉川庵の牡蠣そばと東屋のそば寿司。どれもこれも死ぬ前にもう一度食べてみたい優れものだが、どこもかしこも自宅からは遠いなあ。
ただ、これからの季節であれば、つったいとりそば→「冷たい鳥蕎麦」一択ですねえ。