一つ目は酒販売の張り紙を見て気づいたこと。コンビニで酒販売をやめろと叫ぶ都知事のプンスカぶりに笑っていたのだが、実際にそれに同調するかのように、色々と対応が発生しているらしい。路上呑みが去年のパチンコバッシングのように、メディアを賑わしている。最近の自粛という名の規制の中で、人の集まるところは・・・営業やめてくれと行政がぶうぶう言っているが、まるで去年のパチンコ屋騒ぎの反省がない。科学的根拠を示さずに文句だけ言っている感しかしない。路上呑みの良い悪いについては個々人の感じ方だが、取り締まる法制の整備もなく、何かを禁止するのは行政として憲法違反に近い暴挙だと思う。ためならダメな根拠を示して法なり条例なりを策定すれば良いのだが。それをサボるからウンザリするのだ。などと一人で文句をつけていたら、コンビニの酒販売うんぬんに便乗して?警察が未成年への酒販売の取り締まりを強化しているようだ。コンビニで成人確認をしっかりしていないということで、従業員も含め店主が事情聴取されたらしい。コンビニレジは酒タバコを買う時は、「私は成人です → YES」と、レジのボタンを押さなければ会計できないシステムがある。警察はこの自己申告システムでは不十分だというのだろう。
コンビニでは酒とタバコの売り上げ比率が高いので、そこを規制されるのは痛い。だから、チェーン店内で情報が一気に拡散して、この面白い貼り紙が出現したのではないかと推測している。確かに日本の酒に対する規制は緩い。アメリカでは酒を飲む場所に入る時には身分証明を見せなければ入店すらできないという厳しい規制を敷いている(州によって多少違うが)。40歳を過ぎたときでもパスポートを見せなければ入店できなかった経験がある。日本でも酒についてそれくらい厳しい規制・やり方をするというのなら、法で決めても良い。すでにタバコでは購買許可カードがなければ買えない、購買免許必要物あつかいだ。酒もその仲間入りするだけで、文句を言うのは世の中の酒好きだけだろう。ただ、そのためにはしっかり法整備をして欲しいものだ。都知事のヒステリックとも聞こえる叫びで酒販売を規制できると思って欲しくない。
ただし、健康増進法でタバコの規制もあちこちで骨抜きにされたので(国会議事堂内ではタバコが吸えるのは行政府ではなく立法府だからという怪しい理論をご存知か)、酒が購入免許制になっても、抜け道はたくさんできるだろうとは思う。所詮、日本の行政なんてそんなものだろう。
しかし、コンビニのこの反応は素早い。ほぼ条件反射と言って良いくらいだ。手書きというあたりで、本部の対応というよりフランチャイズの横連携・独自情報網が活躍したのかと思う。文面も何やらすごい。「行政/警察の要請により」とか「本部の指導により」とか、一切確認作業の実施理由を書いていない。年齢確認をどうやるのかも書いていない。何よりこの張り紙の裏側にある酒が見えないのは、酒メーカーからすれば相当気になるというか、迷惑な話だとは思うが。ただ、そこに酒メーカーが文句はつけられないだろうし、とにかく色々な意味で目から鱗がポロポロ落ちるような張り紙だった。

もう一つは、大阪のセブンイレブン騒動で、フランチャイズ契約を破棄され、裁判で係争中のセブンイレブンの敷地内に簡易型のセブンイレブンを建てたというニュースだ。業界ナンバーワンのセブンイレブンが、法的に係争中の案件で強硬な姿勢をとったことに呆れ果てた。少なくとも見せしめの意図があるように思われる。全国のセブンイレブン・フランチャイズオーナーに対する恫喝のようにも思える。本部に逆らうと、こんな目に遭うぞと。
フランチャイズ運営をしている個人オーナーの幾分かは反発するだろうなと思う。そもそもコンビニ業界は巨大化しすぎて、政府からは睨まれている業態だろう。大手3社の社長が経産省に呼ばれて個人オーナーとの関係について説教食らったのをもう忘れたか。個人オーナーいじめはメディアに乗らない程度にこっそりやれよ、などと笑ってニュースを見ていたら、なんとセブンの広報担当者が喋る姿も映った。地域住民の方の開店要望にお答えした、などと曰っているではないか。いやいやびっくりだ。大阪のあの地域のどれくらいの方が、セブン本社に「うちの近くに店を開けてくれ」などとコメントを送りつけるものだろう?セブンイレブン関係者くらいしかそんなことは思わないような気がしてならない。
全国でセブンイレブンが最後に開いた沖縄県で、早くセブンを開けて欲しいという話があったと言われれば、そうかなと思う。しかし、大阪ですよ。ローソンが強い地域・マーケット、大阪ですよ。政府の官房長官発言と同程度の信用しかないでしょう。
たまたまゴールデンウィークにちょっと個人的に反応した、コンビニ・トピック2題。成長が止まった業態で、企業の劣化が始まっているなあ、などと考えてしまった。