最近流行りの高級食パンだが、あまりありがたみを感じない。元々パン好きというほどパンを食べているわけではないからか。ただ、時々無性に固いパンが食べたくなる。家の周りで買える固いパンといえば、せいぜいフランスパンのバゲットくらいか。近くに(徒歩圏)でパン屋は四軒あるし、そのうちの一つはアンデルセンだから、それなりに高品質のパンが買えるのだが。やはりハード系パンが食べたくなる時にはわざわざ都内の百貨店に行って買うことが多い。都内には有名なパン屋、最近でいうところのブーランジリー、馴染みの言葉ではベーカリーがたくさんある。渋谷のヴィロンはおしゃれでよく使っている。ただ、一番のお気に入りはメゾンカイザー、その次がポウルになるか。シェリュイも捨てがたい。

その固いパンを買ってきて、初日は薄めに切ったトースト、次の日は少し厚めに切ったトーストにして食べる。コッテリと甘いジャムをつけて食べるとそこはかとない幸せを感じるのだが、そのためにはジャムは安物ではいけない。お気に入りは長野県ツルヤのPBジャムだが、すこぶるリッチなりたい時にはJune Taylorを奮発しよう。

ただし甘いジャムトーストは小さめの一枚で十分で、本命はオリーブオイルと塩だ。バタートーストがお好きな方はそちらで良いし、手作り系バターを楽シムには、生地がリーン系な方がよろしいから、ハード系パンは向いている。ただ、個人的な好みで言えば、やはり香りの強めのエキストラバージンオリーブオイルが一番しっくり来る。オリーブオイルといえばイタリアと連想す流ことも多いだろうが、オリーブオイルの産地は地中海全体に広がっている。西はスペイン、東はギリシャ当たりのものが手に入る。ギリシャのオリーブオイルは随分ときついというか強い感じがする。イタリアはメーカーによって様々だが。スペイン産は濃い味という印象があり、アヒージョなどの時によく使う。トーストに向いているのは、スペインの者かと思うが。そこは個人の好みで良いし、塩についてもアルプスの岩塩でも良し、地中海の海水円でも良し。モンゴルのピンク岩塩も面白い。ダメなのが日本製の安い精製塩で、これは唯一注意しなければいけないところだろう。
シンプルなものをシンプルに楽しむ時は、素材が全てになってしまう。手仕事の巧さが関与できないほどシンプルなものは、素材にこだわる。それもまた食の楽しみだと思いますよ。
ちなみに古くなってきたジャムは、棒棒鶏のようなシンプル肉料理にソースとして使うと一段グレード上がった料理になりますねえ。