街を歩く

角川サクラタウンの本屋

角川武蔵野ミュージアムは現物を見るべきだ。写真に撮ると凹凸が目立たなくなり、現物よりも立体感が圧倒的に減ってしまう建物だ。現場で質感と存在感を味わうべきだと思う。

オフィスとホテルが併設された場所でもあり、21世紀感が半端ないなあと素直に感心する。バブルから30年以上が経過して、なんだかようやく日本の文化というかアートというかが良い意味で復活してきたような気がする。バブルの頃のすごい建物といえば、今はほとんど廃墟になっているので、余計そんな気がするのだろうか。しかし、ミュージアムの横に神社、それも新設というのがすごいことだなあ。神社だから新設ではなく分祀になるのか。と思って調べてみたら、どうやら新設らしい。

こちらで確認できます https://musashinoreiwa.jp

駐車場があるのがホテルのフロント側なので、こちらが正面に当たるのだと思う。オフィスビルの下に本屋があるというのが、なんとも出版会社らしい。しかし、2階にある本屋やレストランに上がるのにエスカレーターが見当たらない。今時バリアフリーを無視ということはないから、どこかにあるとは思うが、それらしき誘導サインもないし。やはり、JRの駅から歩いてこいというアンチ車社会的な表現というか、主張なのかもしれない。

2階の本屋の入り口がこれで、わかる人にはわかる書籍雑誌の誌名がついたお店だ。角川がほぼ支配権を握る(笑)ライトノベルとアニメのメディアミックス書籍店というところで、中に入れば途轍もなく面白い。いくつか見つけた面白さをあげると、一つ目、発行日前の新刊が販売されている。マーケティングデータ活用のためと書いてあるが、おそらく重版の検討データだろう。二つ目、何やら面白いカテゴリーで分類してある書棚がある。美術、とか人類とか男と女みたいなカテゴリー分けでごちゃっとした固まりができている。その中に「むつかしい本」という分類があったが、そのカテゴリーの棚を探すのが最高に「むつかし」かった。どうやら意図的に分類タグをつけていない棚なので(付けるのを忘れてしまったとは思えない)、10分以上も探し回って、ようやく気がついた。さがすのがむずかしいという意味なのだな、きっと。

あとは、角川映画の原作がずらっと並んだ棚とか、人気ラノベの埼玉県展開のコーナーとか。昔、初めてヴィレッジバンガードに入った時もこんな感じだった。最近はすっかり雑貨屋化したヴィレバンだが、当初は変な本屋だったが面白い「本屋」だった。この店は、まさしく本好きが作った本屋で、わざわざ足を運んでくれる本好きの人のための本屋だ。

もはや本屋は、こんな田舎の片隅で趣味の店として生き残るしかないのかと嘆いてみても仕方がない。全国どこでも地方都市の繁華街では存在できなくなった本屋が、郊外に移転してこんな趣味性の強い店に変化することで生き残れるのであれば、ぜひそうして欲しい。Amazonで注文するのは、題名や作者がわかっている本だけで良い。何か面白い本を探して、ぶらぶらとみて回るにはこんな本屋が必要なんだと思ったわけで、5分くらいと思っていたはずが1時間以上ぶらぶらしてしまった。出版社直営の本屋は「あり」なのだ。

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