日本人の怪しい習慣と言いたいのが、パスタにタバスコをかけるというものだが、これを否定するつもりはない。自分でもよく使うし、タバスコは唐辛子よりも使用頻度が多い。タバスコラブは人に負けない自信がある。やはりこのパスタにというかスパゲッティにタバスコという刷り込みは、喫茶店のナポリタンで終生記憶としてプリントされてしまったのだろう。そして、現在20−30代でタバスコ使用者がまだたくさんいるのは、その喫茶店刷り込み世代がファミレス文化に持ち込んだものだろうと推測している。少なくとも本物嗜好が強く、ネットで情報入手が容易な世代の人たちが昭和の風習を受け継いでいる意味がわからない。似たような話はパスタを食べるときにスプーンを使うという怪しい食べ方で、20世紀最後の10年くらいで定着した食べ方だと思う。あれはアメリカ人特有の食べ方らしい。イタリアや他のヨーロッパ諸国では珍しい食べ方のようだ。
ピザを手掴みで食べるのもかなりお行儀が悪い。レストランではナイフとフォークで食べるものだが、それを知らずに手掴みで食べていて、周りからずいぶんな奴と思われたらしい。(特に知人の子供たちからははっきりバカにされた)同じ体で、ピザを食べるときにタバスコを頼んだらこれまたおかしな奴扱いされた(多分)。ピザにかける辛いものをくれと言い張ったら、クラッシュペッパー、赤唐辛子の粉微塵になったもの、日本の唐辛子のように粉末ではなく粒々なものを渡された。ピザにタバスコも、やはり日本喫茶店文化で独自の伝統らしい。

そうした迫害にも負けず、タバスコラブは貫いているのだが、アメリカでも意外とタバスコを置いているレストランは少ない。酸っぱくて塩味で辛いソースはタバスコ以外にも何種類かあるので、ホットソースとかチリソースとか騒いでいると大概何種類か持ってきてくれる。その点はアメリカ人はとても親切なのだ。一旦理解すればできる限り多種多様な対応はしてくれる。逆に知ったかぶりというか忖度したサービスは全くしない。
で、タバスコの話だが、なんと今や辛さ違いで七種類もあるらしい。ボトルのラベルが黒いものもある。この写真のタバスコ チポトレー味が辛さは中間くらいでスモークフレーバーという、ちょっとした変形路線だ。辛さ追求からヒョイっと逃げたところにある。なんとなく、これはアメリが原産ではなく、日本的アレンジのような気もする。アメリカに行けばスモーキーフレーバーのバーベキューソースなどご当地製造を合わせれば数え切れないくらいある。そんな国で辛いスモークタバスコが必要とされるか?という疑問だ。まあ、出どころはどうあれ最近のお気に入りだが、売っているところがほとんどないらしく、明治屋にもなかった。ようやく成城石井で見つけた時は、ありがたさに後光がさして見えたくらいだ。通販で買おうとすると値段は2倍から3倍に跳ね上がる。今度見つけた時は2−3本まとめて買っておくことにしよう。
stay homeと言われても反発感しか湧かないが、身の安全を守るため外食は一人で、あるいはお家でご飯となると、重要なのは味の変化で楽しむこと。調味料はお値段もそれなりに安いので、色々買い込んで試してみるのが「正しいコロナ対策」であろうかと思いますよ。
ちなみに最近買ってきた怪しい調味料は、カイエンペッパー、花椒(粒)、牡蠣醤油、九州の甘い醤油(宮崎産と大分産)などなど。コリアンダーとクミンとターメリックでカレールーも作ってみた。暇があれば色々とお試しできることを前向きに楽しもうという今日この頃。