街を歩く

お台場の風景と宇宙

12月の初旬に開かれていた展示会に出かけた時、帰り際にやたら綺麗な夕焼けに出会った。高速道路の上にマンション群が立ち並ぶその後ろが夕焼けという、これはなんだか絶妙のタイミングでしか見られない光景だなと写真に撮った。夕焼けシーンで思い出すのは、東京タワーの上に巣を作っていたギャオス(平成ガメラの第1作)なのだが、怪獣映画のシーンを思い出すとは我ながら映像記憶が歪んでいるなと思う。ちなみ大阪城といえば、ウルトラマンとゴモラの決戦シーンが思い浮かぶ。幕張のビル街と東京都庁であればゴジラに壊滅された場所という具合で世の中の名所はだいたいが怪獣にやられた場所と決まっている・・・。怪獣乱闘からセーフなのは皇居くらいのものだ。

その展示会でたまたま見つけたのが「はやぶさ2」の展示だったというのは、ちょっと前に書いたことだが、それにもう少し感想を付け足してみる。宇宙探査といえば有人飛行がもてはやされる。昔で言えば月着陸は一大プロジェクトだったし、最近では宇宙ステーションでの長期滞在がよくニュースにも出る。意外と地味なだが、野口さんが4度目の宇宙ミッションに出るというのも結構すごい話だ。

その中で、低予算に制約されながら長期探索に出ていた「はやぶさ2」は、宇宙開発で出遅れている日本としては素晴らしい実績だと思う。ちなみに地球と太陽の距離が1億5000kmほどなので、はやぶさ2が飛んだ距離はその30倍を越す。宇宙船は惑星間を直線航路で飛ぶわけではないので、どうしても距離が伸びることもあるが。フライバイという加速の仕組みを利用するのでなかなか複雑な航路になる。展示物を見ると「行き」と「帰り」の所要時間がずいぶん違う。太陽の重力に逆らって飛ぶのと、太陽に向けて落ちていくことの差みたいなものだろうか。

「はやぶさ2」模型の後ろにたくさんの黒いスーツのおっさんがいるが、彼らこそ、この「はやぶさ2」を作って飛ばした中小企業のおっさん達のお仲間なのだと思うと、がんばれおっさん達と言いたくなる。どうも最近は涙もろくなり、あれこれでついうるうるしがちなのだが、「はやぶさ2」をみてうるうるするおっさんは相当気持ちが悪いなと自己反省した。

宇宙探査のような巨大プロジェクトを支えているのは、超大企業のエンジニアだけではなく、町工場の技術者たちでもあるのだと訴えていたのは、某テレビ局のドラマ「下町の工場のお話」だった。この会場は、その下町のエンジニアたちの技術を宣伝するものだったのだけれど、まさしく下町のロケット部品屋さん達のプライドが伝わる、good jobな展示だった。個人的には、もうちょっとJAXAの人が積極的にアピールしていても良さそうなものだと思ったが、なんだか微妙に控えめだったなあ。

台場の夕焼けに怪獣を思い出し、宇宙探査機に感動した、SFチックな年末のひと時でありました。

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