食べ物レポート

山形の駅弁 うまし

元旦から駅弁の話で恐縮だが、お節料理の話など面白くもないだろうと思い・・・。駅弁のうまさという点では、この米沢の「牛肉ど真ん中」と横浜崎陽軒の「シウマイ弁当」が双璧だと思う。確かにエビやカニがたっぷりと乗った弁当もゴージャスだが、シンプルイズビューティフォーという言葉は、駅弁の評価をする時には正しい。

パッケージもシンプルだし、質実剛健という気がする。ただし、最近は牛肉ど真ん中もシリーズ化していて、味違いが何種類かあるようだ。しかし、オリジナルが一番うまいと信じて、これを買い続けている。

蓋を開ければ、まさしく「the・駅弁」という趣がある。ごはんのの上にびっしりと敷き詰められた牛肉を、ワシワシと頬張ると肉と米を食べることの幸せが実感できる。牛丼とは違うレベルのうまさだ。牛丼は、なんだかんだ言っても肉のチープさを楽しむもので、和牛A5ランクの牛丼などは食べたいとも思わない。たまに見かける高級すき焼き丼みたいなものは、旨いのは間違いないが、牛丼の仲間ではないぞと思っている。この「ど真ん中」も、その牛丼ではない旨いやつということだ。そして、これまたおかずが、実に添え物的な、徹底した脇役ぶりなのも良い。卵焼きと蒲鉾と漬物という三点セットは、チープ感満載だが、そこが牛肉を引きたてるスーパーサブ的な位置にある。シウマイ弁当では白米を美味しく食べるための濃厚おかずとして役者揃いだ。メインの焼売と並び立つマグロ煮物と筍と・・・といった感じで、脇役たちがやたらが豪華なのだが、「ど真ん中」は主役オンリー、脇役は本当に脇にひっそりという感じがする。

最近ではありがたいことに、この山形の駅弁のボスが東京駅の駅弁販売所に行けばいつでも買えるのだ。仙台駅でも毎日売っていた。むかしむかしは山形新幹線で米沢駅で積み込む牛肉ど真ん中を車内販売のお姉さんが予約を取って限定販売していたものだが。そんな貴重品が近くのスーパーで、それも北海道フェアなのに買えたということは、旅行者が激減しているということなのだろう。旨いものを食べながらほろ苦い現実に気がついてしまった。東京駅に駅弁を買いに行こうかとも思うが、埼玉県知事は東京には行くなと言っているしなあ。駅弁買いに行くのは不要不急な用事であることは間違いなさそうだ。嫌な世の中になってしまったものだ。

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