コロナで不調が伝えれれる外食、飲食業界だが、中には好調なブランドや会社もある。一人焼肉という業態がとても人気らしい。一号店が開いた時には、なんだか大丈夫かなあなど思っていたが、あれよあれよという間に店舗数が増えていた。池袋の駅前にある店も満席状態で、若者で大混雑している中、ちょっと忍び込んでみた。

まさに、コロナの勝ち組と言いたいキャッチフレーズだなあ。この展開でいえば、「今こそ!!一人回転寿司」とか「今こそ!!一人居酒屋」とか「今こそ!!一人カラオケ」などと大人数目向けだった業態が、一人向けに返信すれば良いということだ。

グリルというか焼き台というか、これも一人向けなので小ぶりだ。それでも一度に3−四枚の肉は焼けそうに見える。

カルビとハラミのセットを頼んだが、これで1000円未満なのだから、チャチャっと焼肉を食べたいと思えば、それなりに納得できる。肉の質はお値段と正比例するので、安い肉はそれなりに、うまい肉を食べたければ高い肉を注文すれば良い。全ての注文はタッチパネルで行うので、基本的に会計時以外は非接触タイプのサービスになる。

すごいなと思ったのは、実はタッチパネルではなく、この肉やらご飯やらが乗っているトレイの下側に当たるテーブル部分に引き出しがついている。そこに箸などの食器とおしぼりなどの消耗品が入っている。究極のスペースセーバーなのだが、確かに狭い空間を生かす工夫があちこちにされている。なんだか、昔はやっていたQCサークルの創意工夫コンテスト入賞アイデアみたいなものだが、こうした小さなアイデアの積み重ねこそ「革新」を引き起こすもの要因なのだ。焼肉を食べながら、そんなことを思っていた。こちらが食べ終わるまで、両隣の若い人は2回転していた。明らかに速度重視で焼肉をスタミナ源として胃袋に放り込むという店なのだ。のんびり飯を食いたいというオヤジやジジイには不向きでもあるなあ。ちなみに向かいにいた若い女性客は比較的のんびりと食べていたので、店から見ると若い男性がガンガン回転してくれるのがありがたいのだろう。要はちょっとお高い牛丼屋みたいなことかと納得した。
「一人焼肉」は寂しくないぞという方には、早くて便利でおすすめだと思う。